バカ丁寧な「おもてなし」が本当に重要か? レーシングドライバーが感動したディーラーの「神対応」とは (1/2ページ)

丁寧な応対と「バカ丁寧」な扱いは違う!

 レーシングドライバーでありながら、自動車関連コンサルタントとしての肩書きも持つことから、ドライビングして新車の開発や評価テストをするだけでなく自動車販売会社のディーラーセールストレーニングを行うこともある。

 200km/h以上で走れる高性能を誇るスポーツカーを売っているのに、担当しているセールスが200km/hの走行経験がなければお客さんとの話しにならない。実際に200km/hで走行し、その安定性や快適性を体験しなければ、セールストークもカタログの棒読みにすぎなくなってしまうからだ。

 3列シートのSUVなら、フルシートで走らせて、3列に乗ってみる。クロカン系4WD車なら、悪路走破性を実際に経験して性能を実感してこそセールストークが生きた内容となり、聞く人の興味を高めてくれるはずだ。

 だが、最近のディーラー対応はちょっと方向性が違う。「お客様は神様です」とばかりに入り口で迎え入れて店内へ誘導、そして客を席に案内したら担当者は膝を付いて低い位置から挨拶して名刺を差し出す。それが高級車を扱うディーラーの正しいお客様対応だと考えてる会社がいくつかある。

 しかし、そんな応対を求めてカーディーラーを訪れる客はほとんどいないだろう。丁寧に応対されるのと、マニュアルに添った「バカ丁寧」に扱われるのとでは大きな違いがあることに気がつかないのだろうか。
これまで多くのクルマを所有し、さまざまなディーラーを訪れてきた。以前は「がっかりした経験」を述べたが、今回は「これぞ神対応」と唸らせられたケースを実話ベースでご紹介したい。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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