トルクステアに耐久性! ネガな要素が多かったFF車が主役に躍り出られたワケ (1/2ページ)

1980年代ごろからFRからFFヘの移行がはじまった

 乗用車では2輪駆動の場合、FRというのはセダンもしくはスポーツカーに残っている程度で、ほぼFFだ。SUVにしても、FFベースで4WDにするのが基本だったりする。FFは今で言うところのコンパクトカーである小型車を中心にして始まったもの。それまでは小さくてもFRもしくはRRが基本だった。

 FRからFFに本格的に移行するのは1980年代のことで、1980年に登場したマツダ5代目ファミリアは大ヒットとなったが、別名FFファミリアと呼ばれていて、FF化は大きなトピックスだった。また1983年にはトヨタAE86、つまりハチロクが登場しているが、こちらはご存じのようにFR。ただし、本来のベースであるカローラ/スプリンターはFF化されていて、過渡期だったことがわかる。

 FRの利点をまずあげると、構造的にはシンプルで、ボンネット内にエンジン、フロア下にミッション、そしてリヤにデフと、各セクションをバラバラに置くことができる。つまりドライブトレインの配置に無理がない。さらにアクセルを踏んだときに後ろから押す感じは自然で、今でもセダンにFRを採用する車種が多いのはこのため。RRも含めての話しにはなるが、操舵(前輪)と駆動(後輪)なので、コーナーでも違和感はない。このコーナーでの違和感というのが、FFが当初は普及しなかった理由となる。

 FFのメリットはエンジンとミッションをひとつにしてフロントに置くことで、操舵と駆動をすべて前輪で行えることにある。スペースの限られた小型車では、フロア下にあるミッションやプロペラシャフト、デフは車内空間を圧迫するため、フロントですべて完結するFFはとても画期的だったし、有利となる。本格的なFF2ボックスとして登場したフォルクスワーゲンの初代ゴルフが世界的ヒットとなり、小型車のベンチマークとなったことでもわかる。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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