「なんだこれは」が車名の由来! 伝説だらけのスーパーカー「カウンタック」とは何ものなのか? (2/2ページ)

LP500のエンジンやボディデザインから変更せざるを得なかった

 1971年のジュネーブ・ショーで大観衆の視線を集めたカウンタックLP500は、すぐにプロダクション化のための作業に入る。ちなみにミウラにはなかった車名の最初につくLの文字は、イタリア語でエンジンの縦置きを、Pはリヤエンジン、500は排気量を各々意味している。

 しかしカウンタックLP500は、そのまま市場へと投じられることはなかった。とくにセミモノコックのボディー構造などは、一度はそれで政府の認可を取得しつつも、結局は剛性が期待するほどのものでなかったことから、無許可で伝統のスペースフレームへと変更。このようなことが、まだこの時代のイタリアでは可能だったのである。

 エンジンは熱対策の関係から、ミウラと同様に4リッターへと戻された。3929ccの排気量を持つV型12気筒エンジンの最高出力は375馬力。ボディーサイドには大きなエアインテークが設けられ、オリジナルのLP500での流れるような美しさは、やや損なわれてしまったともいえる。

 カウンタックはその後、搭載エンジンの排気量を4754cc(LP500S)、5167cc(5000QV、アニバーサリー)と拡大し、年々厳しさを増していった排出ガス規制に対応していく。この全シリーズのなかでもっとも大きな販売台数を記録したのは最終モデルとなったアニバーサリーで、これは、ランボルギーニの創立25周年を記念して生産されたシリーズ・モデルだった。

 そして後継車のディアブロが1990年に発表されるまで、カウンタックはランボルギーニの象徴として、そしてまた伝統的なスーパーカーの一台として生産が続けられるのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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