話題のeモータースポーツ「JeGT第4戦」ついに終幕! 初体験の女性編集部員が見た波乱の結末とは (1/2ページ)

GTSはまったくの未経験でありながら突如JeGTへ参戦することに!

 ある日、会社で突如発せられた「WEB CARTOPとしてeモータースポーツ大会に参戦します!」という編集長の言葉は、編集部員たちにとって寝耳に水だったことだろう。

 eモータースポーツに対する私のイメージは、世界大会も行われているほど盛んなゲームという程度だ。使用するのは家庭用ゲーム機であるプレイステーション4(PS4)用のドライビングシミュレーターソフト「グランツーリスモスポーツ」。リアルなクルマの動きやモータースポーツの緊張感を手軽に楽しめるとして、人気を集めている。

JeGT参戦用筐体

 クルマが好きな私にとっては魅力的なゲームだが、じつはパッド(PS4付属のコントローラー)でもプレイしたことのない超ド素人である。「無理だ……」おそらく声には出さなかったと思うが、私は確信した。実車でのレース経験もないのだ。まともに走ることすらできないだろう。

 コロナ以前にeモータースポーツのオフラインイベントを見たことがあるが、参加している人たちはいわゆる「ガチ勢」ばかり。本番までの間に多少練習できる機会があるとはいえ、付け焼き刃で敵う相手ではないのだ。

 だが、そんな不安は一瞬で吹き飛ぶことになる。WEB CARTOP RACINGの参加目的は「勝ちを目指すわけではない」、参戦してeモータースポーツの魅力を伝えられれば良いということだ。こうして私は半ば無理やり、eモータースポーツの世界へ足を踏み入れることになったのだった。

 今回参戦するのは「AUTOBACS JeGT GRAND PRIX」。全4戦行われ、1戦につき2〜3人のドライバーが交代で走るというもの。マシンはGr.3を使用することになっており、WEB CARTOP RACINGはホンダNSXを選択した。MRレイアウトでちょっとクセのあるマシンだ。

 マシンは決まったものの、ほとんど素人集団の我々だけで走るのはさすがに無茶だ。そこは配慮されており、JeGTでは規定タイムをクリアした認定ドライバーをチームメンバーとして加えることができる。WEB CARTOP RACINGでは大田夏輝選手と兒島弘訓選手の2人とともに、毎戦1人ずつ編集部員が交代して参戦することになり、私は第4戦を走ることになった。

 初戦を終えたその日、私は今までになく危機感を覚えていた。それまでなんとなく気乗りしなかったのもあり、まったく練習をしていなかったのだが、レースのレベルの高さ、大会の空気感に触れ、改めて本番を迎えることが恐ろしく感じられたのだ。

 私のような素人は我流でやるよりもコツを教えてもらう方が手っ取り早いと思い、認定ドライバーの2人に時間を作ってもらっては練習に明け暮れることになる。

JeGT練習風景

 練習初日。社内に用意された筐体の椅子に腰をかけると、実車のようなホールド感に驚いた。思っていた以上に本格的である。ハンドルコントローラーにはボタンがいくつも付いていてまるでF1マシンのハンドルのようだ。

 私が担当する第4戦はウィロースプリングス・レースウェイ ビッグウィロー。アメリカに実在するコースだが、コースアウトしてしまえば広大な荒野を駆けることになり、レースは終わったも同然と言えるほど、初心者にはかなりハードルの高いレイアウトだ。このコースを5周走らなければならない。

「練習時間がたっぷり取れる」という理由から第4戦のドライバーになり少しホッとしていたのだが、このコースを見た瞬間にそんな気持ちは吹き飛んだ。

 試しに1周走ってみるが、コースをはみ出し、壁にぶつかり、とにかくひどい有りさまだった。私のど素人加減には認定ドライバー諸氏も驚いたことだろう。

 そこで、今度は各コースに設定されているセクターごとに分けて練習していくことにした。まずは1周まともに走れるようにならなければいけないのだ。私も必死だった。

 ブレーキポイントやラインはとにかく重複して刷り込んでいく。そうすると、少しずつタイムが縮まっていき、自分の成長を感じられると嬉しかった。

 なんとか1周走れるようになったころ、さらなる問題が発生する。私の現状のタイムでは、まともに走れたとしてもかなり厳しいところ。勝ちを望まないとはいえ、せっかくやるなら、多少はやって良かったと思えるようにしたい。私のそんなわがままにも快く付き合ってもらい、タイムを縮めるべく、アクセルを踏めるところはしっかりと踏んでいく練習が始まった。

 そうして、プロドライバーには到底及ばないまでも、がんばれば1分13秒台にはギリギリ乗せられるようになっていた。終業後のみの練習だったが、にわか仕込みとしては十分ではないかと思う。

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