2輪のモトクロスから4輪レースへ異色の挑戦【KYOJOドライバーの素顔】Vol.1 永井歩夢

モトクロスの経験がKYOJO CUPにも活かされている

 女性ドライバー限定のプロシリーズとして、関谷正徳氏が2017年に立ち上げた「KYOJO CUP」には、数多くの女性ドライバーがエントリー。日本のコンストラクター、ウエストレーシングカーズが開発したレーシングマシンにヴィッツRS用の1500ccエンジンを搭載した「VITA」を武器に、各ラウンドで激しいバトルを展開しているのだが、KYOJO CUPにはどんな人たちが参戦しているのだろうか? ここではKYOJO CUPの女性ドライバーをクローズアップしたい。

 他のカテゴリーと同様にKYOJO CUPに参戦する女性ドライバーもカート経験者が多く、上位ランカーのほとんどがカートレースで実績を重ねて四輪レースに転向している。そのなかで異色のキャリアを持っているのが、8号車「MS.LRGARSI WITH YLT VITA」のステアリングを握る永井歩夢選手で「お父さんがバイク好きだったので、最初は四輪ではなく、二輪のモトクロスレースを始めました」と語る。

 その後は「病院のチームがあって、そこのオーディションを受けて採用してもらいました」とのことで2019年にラリー競技に転向。2020年には名門チーム、クスコレーシングより全日本ラリー選手権のJN6クラスに参戦するなどラリー競技で活躍していた。

「レースにも興味があったし、KYOJOのオーディションも毎年開催されているので、チャレンジしてみました」とのことで、永井選手は2021年よりKYOJO CUPで四輪レースにデビューした。「ラリーは1台ずつのタイムトライルなので慣れない部分もありましたが、二輪のモロクロスではずっとバトルをしていたのでレースの感覚にはなれています」と永井選手は語る。

 とはいえ、開幕戦の富士では予選で7番手につけながらも、1周目にマシントラブルでリタイヤしたほか、第2戦の鈴鹿では予選でピットレーンの速度違反により2グリッド降格の7番手に低迷。さらに決勝も6位にどどまるなど苦戦が続いている。

 それでも永井選手は「少しでもミスをするとすぐにスピンをしてしまうのでVITAは難しいですね。でも、ドライバーを成長させてくれるクルマだと思いますので、スキルアップをしていきたいですね」と笑顔を見せているだけに今後の躍進に期待したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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