これは名作か迷作か? 自動車業界を騒然とさせたデザインのクルマとデザイナー (2/3ページ)

素人目にはその良さがわからなかった!?

 だが、世の中には有名デザイナーであるにもかかわらず、人々に「うおおおおお!」ではなく「うむむむ?」「こ、これはちょっと……」という感じで「騒然とさせてしまうデザイナー」もいらっしゃる。

 例えばオリビエ・ブーレイなどはその筆頭格だろう。

 コタツの上で読んだWikipediaによれば、ブーレイ氏はパリとロンドンの有名な美学校で学んだのち、プジョー・シトロエンやI.DE.A(イタリアの超有名なデザイン会社)、ポルシェで活躍し、30歳のときにはダイムラー・クライスラー(当時)のデザイン部門のマネージャーに就任。そして1989年には富士重工(現SUBARU)に移籍し、今見ても「美しい!」と感嘆するほかない2代目レガシィ(BD/BG系)のデザインを担当した。

 そんな素晴らしい経歴と、たぶんセンスと実力もお持ちだったはずのブーレイさんが2001年に三菱自動車のデザイン部門のトップに立ったときに導入したのが、「ブーレイ顔」なる通称でおなじみの、あのヘンテコなデザイン。

 すなわちフロントマスクの中央に富士山型の突起を設けて、そこに三菱マークを大きく配するというアレだ。

 そのブーレイ顔は今さらここで言うまでもなく、その後は完全に「なかったこと」にされたわけだが、問題は、なぜデザイン理論を学び、たぶんだがセンスがあって育ちも良く、2代目レガシィなどのステキなモノも作れる人が、「あれ」を良いと思ったかである。

 まぁ当時の三菱の中の人たちも、ブーレイ本部長氏のスケッチを見て「うげっ……」と思ったはずだが、経営危機のど真ん中にあった当時の三菱の中の人には、ブーレイ本部長に文句を言える権利と空気などいっさいなかったはず。それゆえ、三菱自動車の責任について問うつもりはない。

 問いたいのはブーレイさん本人だ。

 ……あなた、プロとして本当に「あれ」がいいと思っていたのですか? 思っていたのならば、デザインとはいったい何なのでしょうか? 素人である私にはまったくわかりません……!


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

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町田 康

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