「小さくなれば……」「MTがあれば……」実現したら本当に買うのか!  クルマ好きが言いがちな「無責任発言」4つ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■自動車に関するネット記事のコメント欄などには自由な意が飛び交っている

■そのなかには「実現したら本当に買うのか!?」と思えるような発言も

■この記事では4つの“無責任発言”を挙げて解説する

自由な意が飛び交うがメーカーにも考えや事情がある

 自動車に関するネット記事のコメント欄をたまに読むと、「クルマ好きとは、自動車メーカーの商品戦略について、本当にいろいろと考えている人たちなんだなぁ……」と思う。

 彼ら・彼女らは自動車メーカーの車種ラインアップについて強固な一家言を持っており、ボディサイズについてはミリ単位でメーカーに注文をつけ(だいたいは「最近のクルマは大きすぎてけしからん!」という論調が基本)、マニュアルトランスミッションや2ドアFRクーペの市場への投入を望んでいる。いや、それを「要求している」と表現してもいいのかもしれない。

 筆者もいちおうクルマ好きの端くれではあるため、気持ちはわかる。

 だが同時に、「自動車メーカーの中の人(とくに商品企画の人)は、こういったマニアの声をどう感じてるのだろうか? たぶんだけど、ネットで有名なTOKIOの城島 茂さんの画像みたいに『素人は黙っとれ』と、目をつぶりながら思ってるんじゃないかな?」とも思っている。

※イラストはあくまでイメージ

 というのも、筆者の場合は自分の専門分野について、非専門の人間からどんな批判を浴びせられたところで「……素人は黙っとれ」としか思わないからだ。

 もちろんこれは「素人の意見は常に間違っている」という決めつけではない。アマチュアの意見にも拝聴すべき部分はたくさんあり、ときには発見もある。

 だが、その道のプロというのはたいていの場合、アマチュアがしばしば指摘するようなことはとっくの昔に何度も何度も検討し、検証し、そのうえで「コレ!」と自分が信じた何かひとつを世に出すものだ。

 それゆえ――すべての素人の意見が無意味で無価値とは決して思わないし、時には真摯にご意見を取り入れたりもするが――地道な検証もとくにないまま「ぼくがかんがえたさいきょうのプラン」を気軽に提示されたところで、「……(苦笑)」にしかならないのである。

 ということで、自動車メーカーの中の人がどう思っているかは知らないが、カーマニアがメーカーに対してしばしば言いがちな無責任発言(と筆者には思われるもの)を、いくつかご紹介しよう。

無責任発言その1 「(ボディサイズが)大きくなりすぎた」

……これはもう本当に頻繁に言われているフレーズだ。とくに多いのはスバル・レガシィについてだろうか。「6代目のレガシィはでっかくなりすぎ! もっとこう北米だけじゃなく、日本の道路事情や日本人の好みのことも考えてほしい!」と。

 確かに筆者も6代目レガシィの全幅1840mmというのは「でけえ、うぜえ……」と感じる。

 だがこのサイズも、メーカーの中の人が各国の市場規模やら今後の成長予測やら現在の財務指標やら何やらをグローバルレベルで仔細に検討し、たぶんだが会議に会議を重ねたうえで「このサイズで行く!」と決めた寸法である。そこに文句を付けたところで仕方ないというか、「じゃあレヴォーグ買えばいいじゃん?」としか言いようのない話である。

 で、もしもスバルの人がマニアの声を真に受けて(まぁそんなことはないと思いますが)でっかくなったレガシィを小さめに改めたら?

……たぶんだが北米で売れなくなり、スバルは倒産し、小さめなレガシィを求めていた人が新車で買えるスバル車は結局なくなってしまう――というオチになるのだろう。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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