ウン千万円の走る「住宅」! 「ロールス」「ランボ」「ベントレー」「マイバッハ」の超豪華SUVを選ぶならドレが正解? (2/2ページ)

カリナンのライバルに個性的なモデルが名乗りを上げる

 それではこのカリナンに続くライバルモデルはどうか。個人的にもっとも気になるのは、ランボルギーニのウルス。ランボルギーニが50年の歴史にわたって受け継いできたスーパースポーツカーのDNAを継承するSUVのウルスは、先日生産台数が1万5000台を超えたばかり。2017年12月に発表されたウルスによって、ランボルギーニの年間生産台数は倍増するなど、やはりSUVをシリーズ・モデルのラインアップに加えた効果は大きかった。

 そのウルスの魅力といえば、SUVの中でももっとも過激に感じるスポーツ性だろう。搭載エンジンは4リッターのV型8気筒ツインターボで、最高出力は650馬力。車重は約2.2トンと重量級だが、それを感じさせない走りが実現されていることは、3.6秒という0-100km/h加速がそれを証明している。

 ランボルギーニによれば、近い将来、このウルスをベースとしたワンメイクレースも開催予定とのこと。スーパースポーツ・ブランドの考えることはやはり面白い。

 ベントレーのベンテイガ、そしてメルセデス・マイバッハの最新作、GLS600 4MATICも最高級SUVの一翼を担う魅力的なSUVだ。

 まず先日マイナーチェンジを受けて、新型へと進化したベントレーのベンテイガ。デビュー時には6リッターのW型12気筒エンジン搭載モデルのみだったが、それにV型8気筒仕様が加わったことで、セールスには一気に弾みがついた。

 マイナーチェンジ後は、基本モデルはすべてV型8気筒仕様となり、W型12気筒モデルは「スピード」の専用エンジンという扱いに。先日このスピードに試乗してみたけれど、それはとにかくスムースでかつ速い。コーナーでのハンドリングが魅力のV型8気筒モデルとどちらを選ぶのかがとても気になる選択だった。

 メルセデス・マイバッハのGLS 4MATICは、7月の始めにLAショーで発表されたばかりで、いまだに見たことも触ったこともないけれど、4リッターのV型8気筒ツインターボエンジンに48VのEQブーストシステムを組み合わせ、さらに低中負荷域では気筒中止さえ行うシステムを採用。まさにこれからの時代を担うクリーンSUVのひとつともいえるこのモデル。

 運動性能にももちろん不満はなく、約2.8トンという車重に対して0-100km/h加速は4.9秒。最高速はリミッター制御による250km/hと十分な数字だ。

 インテリアの仕上げも、かつてのマイバッハを思い出せば容易に想像できるとおり、おそらくはSUVの常識を覆すほどの上質感が演出されたものになっているのだろう。後席は当然ゆったりとした広さが確保されているはず。

 というわけで、ヤマザキ的超高級SUV選びの結論は、「カリナンかそれ以外」。もちろん実際にそれを買うおカネなんかないけれど、おカネ持ちの方々は、たまにはぜひ、このヤマザキを信じてやってくださいませ。ぺこり。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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