軽自動車の「ちょうどいい」対決! 「ワゴンRスマイル」と「ムーヴキャンバス」を全方位で徹底比較した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ワゴンRベースの背が高すぎないスライドドア車としてスマイルが新たに登場

■すでに市場には同コンセプトのダイハツ・ムーヴキャンバスが存在する

■燃費や安全装備やラゲッジや乗降性などで徹底比較を実施した

使い勝手と手頃な全高を両立したプチバン2台

 スズキが満を持して登場させた新感覚の軽自動車がワゴンRスマイル。その名のとおり、スズキ軽の主力車種のワゴンRをベースに、全高を高め、両側スライドドアを与えたプチバンである。

 そんなワゴンRスマイルの先駆車と言えるのが、ダイハツ軽自動車のヒット作の1台であるムーヴキャンバスだ。6代目ムーヴをベースにした、デザインや女性が嬉しい実用装備満載の”CAN=できるミニバス”がコンセプトのセミハイトユーティリティモデルと呼べる軽自動車であり、エクステリアは往年のVWバス タイプ2 T1をイメージしたことは間違いのないところ。20代後半から30代前半の女性がターゲットというだけあって(発表時)、エンジンはNAのみ。ターボモデルはない。

 ワゴンRスマイルは、ゆえに、2016年9月デビューのムーヴキャンバスから遅れること5年目に登場したわけで、こうした軽自動車の需要が確実にあることを示している。スズキ、ダイハツにはスペーシア、タントというスーパーハイト系軽自動車があるものの、それより全高を抑えた、背高なクルマが嫌いな人にも向くパッケージングが特徴となる。

 両車のボディサイズは、全長、全幅は軽自動車枠の規制から変わるところはないが、全高はムーヴキャンバスが1655mm、ワゴンRスマイルが1695mmと、ワゴンRスマイルのほうが30mm高い。これは室内高に直結し、ムーヴキャンバスの1285mmに対して、ワゴンRスマイルは1330mmのゆとりがある。ちなみに、室内長も、ホイールベースの違いから、ムーヴキャンバスは2115mm、ワゴンRスマイルは2185mmと長い(計測方法はメーカーによって異なるため、直接比較はできないが)。

 キャラクター的に似ている両車だが、エクステリアデザインのクラシック感(ワーゲンバス風ということ)、女性ウケではムーヴキャンバス。今風で精悍な顔つきを持ち、男女どちらでも抵抗なく乗りこなせそうなのがワゴンRスマイルということになる。

 パワーユニットも大きく異なる。ムーヴキャンバスはすでに述べたように、女性がターゲットのため、NAのみの設定。一方、ワゴンRスマイルはNAのガソリン車に加え、というか、メイングレードはスズキの軽自動車ではおなじみのマイルドハイブリッドを用意。よって、燃費性能も、設計が新しいワゴンRスマイルが有利で、WLTC総合モードで比較すると、ムーヴキャンバスは20.6km/L。ワゴンRスマイルはガソリン車が23.9km/L、マイルドハイブリッド車が25.1km/Lと圧倒する(FF車の値)。

 というのも、ワゴンRがそうであるように、スズキの最近のクルマは軽量化が徹底され、ムーヴキャンバスの920kgに対してワゴンRスマイルはガソリン車で840kg、マイルドハイブリッド車で860kgと、とにかく軽く、当然、燃費にも貢献しているわけだ(FF車の値)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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