最新車に「懐かし装備」を発見! 新型ランクルのメーターにみた「生きて帰る」ための表示2つ (2/2ページ)

- 名前:
- 近藤暁史
- 肩書き:
- -
- 現在の愛車:
- フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
- 趣味:
- レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
- 好きな有名人:
- 遠藤ミチロウ、岡江久美子
そして、反対の左側に付いているのが油圧計だ。これはエンジンの中をオイルが、どれくらいの圧力で循環しているかというのを示している。
【関連記事】エンジンの暖機完了の合図ではない! 青く光る水温警告灯が消える温度と正しい暖気運転とは
オイルポンプはエンジンの力で回っているので、回転が上がれば圧力も上がるし、下がれば下がる。じつは圧力からさまざまなことがわかる。そもそもなぜ圧力がかかっているのかというと、オイルの経路は細かいから。パーツのすき間から出て滲み出てくる感じで、ザーザーと流れ出るのではない。それゆえ、循環にはある程度の圧力がかかる。
オイル循環の圧力からは色々なことがわかって、まずはオイルの漏れ。クロカンなので、悪路で下まわりを打って、オイルが漏ることを想定しているのだろう。大量に漏れればオイルが吸い上げられなくなるので、メーターの表示はゼロに近くなる。
そのほかでは、オイルは劣化するとサラサラになるので、すき間を通りやすくなり、そうすると油圧は下がってしまう。また熱ダレで、粘度が落ちてしまったときも同様だ。そしてエンジンの消耗具合も予想できる。摩耗すると各部のすき間が拡大して、オイルが通りやすくなる。そうなると当然、油圧は低くなってしまう。整備解説書には規定の圧力が明記されているほどで、いずれにしても普段から数値を気にしていると、シビアなトラブルを未然に防げるというわけだ。
どちらのメーターも世界中の悪路を走破して鍛えられたランクルだからこそ、今でも装備している物といっていい。
どんな道でも行って無事に帰ってくるのがランクルの使命と言われるが、その点をアシストするために、一見すると昔懐かしいようなメーターを今でも装備しているわけだ。