MT車の駐車で入れておくギヤは「何速」が正解? 同時に必須だけど「ほとんどの人がやらない」こととは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■MT車を駐車する際はギヤをN以外の場所に入れておくと言われる

■状況別に入れるギヤを選択すべきかについて解説する

■筆者はギヤをどこに入れるかよりも大切なことがあると述べている

ギヤをどこかに入れておけばクルマが動き出す心配は少ない

 オートマチック車では、駐車の際、Pポジションに入れておかないとイグニションキーが抜けないモデルもあった。現在のようにキーレス方式になると、ドアロックができないモデルも存在する。ATのPポジションは、ミッションロックの機構(パーキングロックボールの作動)と考えてもよく、駆動系をロックすることでタイヤを動かなくする。一方のパーキングブレーキは、ブレーキを作動させてクルマを固定する機構で、Pポジションと合わせ、不用意にクルマが動かないようにする働きを持っている。

 では、マニュアルトランスミッション(以下MT)車の駐車はどうすればよいのか、という話だが、実際には、サイドブレーキを作動させ、ミッションはニュートラルポジションのままというケースがほとんとだろう。平地であれば、サイドブレーキの働きで、外からの力によってクルマが動き出すことはまずないが、坂道だと少しばかり事情が異なってくる。傾斜の角度にもよるが、サイドブレーキの操作が甘いと、車両は自分の重量に負け、自然にクルマが動き出してしまう場合がある。

 こうした場合、AT車と同じく、駆動系をロックさせる方法(正確にはエンジンの抵抗を利用する方法だが)として、ギヤを入れた状態で駐車する方法がある。サイドブレーキと合わせ、ギヤをどこかの位置にシフトとしておくことでエンジンとつなぎ、その抵抗を利用してクルマを動かなくする方法である。かつては、ギヤをシフトした状態でセルモーターを回すと、誤ってクルマが動いてしまう場合もあったが、2000年代の早い段階で、MT車はクラッチペダルを踏み込まないとセルモーターが回らない構造に改められ、ギヤをシフトしたままでの「うっかり始動」でクルマが動き出すリスクはなくなっている。

 この駐車方法は、平坦地でも有効な方法だが、傾斜地での駐車には必要不可欠な方法として、教習所でも教えているはずだ。教習所では、上り坂は1速、下り坂はバックにシフトすると教えていたはずで、この方法に従えばよいだろう。(個人的にだが、筆者はあまりギヤのポジションにこだわる必要はないと考えている。どこかのギヤにシフトされていれば十分効果があると考えている)。


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