BMWのロードスターは「Z」を頭文字とする
ドイツ車のプレミアムブランドはドイツらしく、自分たちの車種をきちんと系統だてて名前をつけるのが上手だ。BMWも例外ではなく、セダン系は3桁の数字で車格と性能を示し、スポーツモデルはM、SUVはX、電気自動車はiのあとに数字を加える手法が浸透している。
ただしMやXがラインアップを増やしているのとは対照的に、現行モデルでZシリーズはZ4のみ。それもトヨタGRスープラとの協業になっている。
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画像はこちら スポーツカーが生きにくい時代であることを痛感するけれど、歴史を振り返っても、Zシリーズが複数の車種を用意していた期間はわずかしかない。
最初に登場したのは1987年にデビューしたZ1だ。BMWの市販車ではミッドシップのスーパーカーM1に続くアルファベット+1の車名で、ドアが電動で上下してサイドシルに引き込まれるという、独創的な構造を持つオープン2シーターだった。
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なぜBMWはZ1を出したのか。メカニズムに理由があると思っている。その後の3シリーズなどで採用されるフロントミッドシップレイアウトやマルチリンク式リヤサスペンションを導入していたからだ。
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生産台数は8000台ぐらいだったというが、まったく新しいプラットフォームやサスペンションをいち早くユーザーに試してもらう、ベータ版としての役割には有効だったのではないかと思っている。