クルマ好きの大好物「カーボン」「アルミ」「チタン」! じつは誤解も多い素材の中身とは (2/2ページ)

アルミやカーボンが使われる理由は軽いから

3)アルミ

 アルミはホイールに使われるなど、自動車に使用されるなかでも比較的ポピュラーな素材だ。メリットはまずは軽いことで、それゆえホイールやサスペンションアームに使えればバネ下が軽量化できるし、ボディに使えばさらに軽量化に貢献する。ただ、ご存じのようにアルミは強度が低い。体積が同じとして、重量は鉄の3分の1ほどだが、強度(粘り強さ)も約3分の1なので、アルミホイールがスチールホイールと同じ厚さで作られておらず、肉厚に作られているのはこのため。

 だから、アルミ合金として、ほかの物を混ぜて対策するにしても、比較すると大幅に軽くなってはいないし、ボディもフェンダーやボンネットなど、剛性があまりかからない部分に使用されるのみ。

 ただ、鉄と同じ厚さでパネルを作ると剛性は高くなるのは大きなメリットで、その分を差し引いて薄く作ることで結果として軽量化に貢献することができる。何でもアルミに置き換えればいいというわけではなく、落とし所が重要な素材と言っていい。

4)カーボン(CFRP)

 エアロなどでFRPという言葉はよく聞くが、ひと口にFRPと言ってもさまざま。混ぜるというか、ベースの繊維になにを使うかで性能が大きく異なってくる。スポーツカー、そしてレース車両でよく使われるのがCFRPというもの。CはカーボンでCarbon Fiber Reinforced Plasticsの頭文字を並べたのがCFRPで、日本語にすると炭素繊維で補強強化された樹脂となる。

 炭素繊維のメリットは、高剛性、高強度で、かなり軽い。耐熱性や低熱膨張率もあるので、ブレーキディスクにも使用される。また、衝撃エネルギー吸収性やしなりなども優れているので、サスペンションやフレームなどにも有効で、現在普及が進んでいる。

 いいことづくめのように見えるが、デメリットは素材、生産ともにコストがかかること。また繊維を樹脂で固めて作るために生産性が悪いことなどがあげられる。後者については、次第に解消されつつあるのが現状だ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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