よくよく考えると「スズキ」と「ダイハツ」のコスパは圧巻! 良品廉価マジックの秘訣とは? (2/2ページ)

良品廉価なクルマ造りの経験がコスパの高いクルマを生み出す

 ライズも開発と生産はダイハツが受け持つからコストを抑えたが、トヨタの販売店(全国に約4600店舗)で売るから、営業コストは相応に要する。そのために、ライズの価格をロッキーと比べると若干高めの設定だ。ライズハイブリッドZとロッキーハイブリッドプレミアムGを比べると、金額自体はロッキーが高いが、ソフトレザー調のシート表皮を使うなど独自に質感を高めている。

 このようにダイハツは、昔から軽自動車を開発してきたメーカーとあって、本質的に原価を低減させる開発と販売を行っている。

 スズキも軽自動車が中心だから、同様に価格の割安な商品が多い。クルマ好きのユーザーにとってもっとも共感を得やすいのはスイフトスポーツだろう。

 スイフトスポーツのエンジンは直列4気筒1.4リッターターボで、自然吸気の2.3リッターに匹敵する性能を発揮する。6速MTも選べて、サスペンションには名門とされるモンロー製のパーツを採用した。装備については衝突被害軽減ブレーキ、車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、エアロパーツ、17インチアルミホイールなどを標準装着する。価格は201万7400円(6速MT)だ。

 ヤリスに直列3気筒1.5リッターノーマルエンジンを搭載するZの6速MTが、188万8000円(インテリジェントクリアランスソナーは非装着)、CVTは197万1000円になることを考えると、201万7400円のスイフトスポーツが割安なことが分かる。

 以上のようにクルマの価格にはさまざまなコストが含まれ、軽自動車を中心に手掛けてきたメーカーは、長年にわたり「良品廉価」を目指した実績がある。そのために割安、あるいは買い得なクルマ造りが実践されているわけだ。

 2021年1〜10月の国内販売ランキングを見ると、1位:トヨタ、2位:スズキ、3位:ホンダ、4位:ダイハツとなる。スズキとダイハツの躍進が目立つ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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