エクリプスとアウトランダーってキャラ被ってない!? 三菱が同じようなSUVを3車種もそろえるワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

◼︎三菱には「アウトランダー」「エクリプスクロス」「RVR」と似てる3台のSUVがある

◼︎PHEVに限っては似たような車格で2台ラインアップしている

◼︎アウトランダーとエクリプスクロスの違いを考察する

似たようなクルマを2台そろえる理由とは?

 いまの三菱の小型/普通車では、SUVのラインアップが中心だ。新型アウトランダーが登場して注目され、エクリプスクロスとRVRもある。この位置付けがわかりにくい。

 まず、2005年に初代アウトランダーが発売され、新しいプラットフォームを採用した。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2670mmで、その後の三菱車も、同じプラットフォームを幅広い車種で使うことになった。初代アウトランダーに続くSUVとしては、2010年に現行RVRが発売されている。RVRは比較的コンパクトなSUVで、全長はマイナーチェンジを受けた現行型でも4365mmと短い。

 それなのにホイールベースは初代アウトランダーと同じ2670mmを踏襲したから、ボディが短い割に後席を含めて居住空間が広い。前後のオーバーハング(ボディがホイールよりも前後に張り出した部分)は短いから、カーブを曲がる時に慣性の影響を受けにくく、走行安定性も優れている。

 その後、2012年にアウトランダーは2代目に刷新された。プラットフォームはホイールベースを含めて初代モデルと同じだが、外観のデザイン、運転感覚、乗り心地は、スポーティ指向を抑えて落ち着いたものになった。操舵感も初代は機敏に良く曲がる代わりに、状況によっては後輪の接地性を下げやすかったが、2代目は穏やかな性格で後輪の接地性も高めた。

 2018年にはエクリプスクロスが加わった。プラットフォームはアウトランダーやRVRと共通で、ホイールベースも2670mmで等しい。全長は発売時点では4405mmであった。今はマイナーチェンジを経て4545mmに拡大されている。エクリプスクロスの運転感覚は、適度に機敏に曲がりスポーティに仕上げた。2代目アウトランダーが落ち着いた方向へフルモデルチェンジしたので、元気の良い走りをエクリプスクロスで取り戻した。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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