納期が数年のランクル300を待つ必要ある? 旧型ランクルでも「満足できる」これだけの理由 (2/2ページ)

話題が話題を呼んで人気が集中しているランクル300

 新型はTNGAの考え方に基づく新設計フレームを採用し、エンジンの搭載位置を低く後方に移すとともに、車両全体で200kgもの軽量化を実現した。その効果はオンロードでの乗り心地やハンドリングで感じる。でも、その面を重視するなら、ふさわしいSUVは山ほどある。

 電子制御でアクセルやブレーキを微妙にコントロールし、悪路をイージーに走破できるクロールコントロールは先代も装備していたし、今は日本の道路事情に合ったランドクルーザー・プラドにも用意されている。

 オフロードではリジッドアクスルのほうが走破性で有利という意見もある。ランクルも80系以前は前後リジッドだった。その80系、リジッドながらスプリングを60系までの板バネからコイルに換えており、快適性と走破性を高次元で両立したと今も根強い支持を受けている。

 モデルチェンジで大きく変わったのはパワートレインで、ガソリン/ディーゼルともV6ターボエンジンと10速ATのコンビになり、軽量化のおかげもあって燃費は良くなった。

 ただ、オフロードでは自然吸気のほうが扱いやすいのも事実だし、今後は自然吸気のほうが希少価値が高まりそうな気がする。

 もうひとつ、史上最強のモビリティツールという視点で選ぶなら、数年前に期間限定で販売された70系を中古で狙う手もある。ランクル人気に引っ張られて相場は上昇気味だけれど、操る喜びは300系よりはるかに上だ。

 結局のところ、今の日本で300系を欲しいと思う人は、多くが話題の車種だからという理由ではないかと想像している。注文を入れることを止めはしないけれど、納車の頃にも現在のように注目されるかどうかは未知数だ。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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