売れなかろうが関係なし! 個性命で「ライバル不在」の孤高のクルマ5選 (2/2ページ)

スズキのコスパマジックから生まれる唯一無二のクルマたち

■乗り心地で他車を圧倒:トヨタセンチュリー

 現行センチュリーは、先代レクサスLS600hLと基本部分を共通化している。先代型が搭載したV型12気筒エンジンのような独自の機能はない。

 その意味で現行型は有り難みが薄れたが、乗り心地は依然として絶品だ。たとえば駐車場から道路に出る時の段差も、とても優しく受け止める。細かな路上のデコボコもほとんど伝えない。遮音性も優秀で、車内はきわめて静かだ。後席に座ると、「これは凄い!」と思わせる。

■悪路の走破力で他車を圧倒:スズキ・ジムニー

 軽自動車サイズのSUVだが、エンジンを縦向きに搭載する後輪駆動ベースのパートタイム4WDを搭載する。4WDに前後輪の回転数を調節する機能はなく、舗装路は2WDで走るが、悪路における駆動力の伝達効率は高い。

 エンジン、悪路に対応したサスペンション、ボディは、耐久性の優れたラダーフレームに搭載される。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2250mmと短く、最低地上高(路面とボディのもっとも低い部分との間隔)は205mmと高いため、悪路のデコボコも乗り越えやすい。

 これらの相乗効果により、ジムニーの悪路走破力は、日本で購入可能なSUVではもっとも優れていると言えるだろう。とくに道幅の狭い曲がりくねった林道には最適だ。

■価格の割安感で他車を圧倒:スズキ・アルト

 2021年12月に発売された新型アルトAは、価格が94万3800円と安いが、衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキサポート(時速10km以下で後退している時に作動する衝突被害軽減ブレーキ)、運転席/助手席/サイド/カーテンエアバッグなどを標準装着している。関心の高い安全装備を網羅して、価格は割安に抑えた。

 ちなみに初代アルトは1979年に47万円の低価格で発売された。当時の47万円を大卒初任給をベースに今の貨幣価値に換算すると、新型アルトAとほぼ同額になる。初代アルトは、エアコンやパワーステアリングはもちろん、左側の鍵穴まで省いたが、新型アルトAは前述の通り装備が充実する。アルトの歴史を振り返ると、今日のクルマが割安になったことが良くわかる。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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