ランボルギーニの逆転劇は「非跳ね上げドア車」が生み出した! 過去最高の販売台数を支えた「やりました」モデルとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

ランボルギーニが2021年の世界総販売台数8405台で自己最高を記録したことを発表

■2021年の販売台数の約半数をSSUVのウルスが占めている

■ランボルギーニ躍進の礎となったかつてのベストセラーモデルを紹介する

総販売台数の約半数をSSUVのウルスが占める

 それは、まさに「奇跡の復活劇」といえるのかもしれない。1998年にフォルクスワーゲングループへと再編されて以降、魅力的なモデルを続々と市場へと投入してきたアウトモビリ・ランボルギーニ。同社が発表したところによると、2021年の世界総販売台数は前年比13%増となる8405台で2年ぶりに前年実績を上まわり、自己最高記録となった。

 参考までに2021年にランボルギーニが記録した世界販売8405台のうちもっとも大きな貢献を果たしたのはSSUV(スーパーSUV)の「ウルス」で4391台。ウルスによってランボルギーニの世界販売は、従来までのほぼ倍の数字を記録することが可能になったのである。

 それはランボルギーニのみならず、それまでSUVを持たなかった他メーカーに関しても同様のこと。どうやらあのフェラーリまでがSUV(とは彼らは絶対に呼ばないだろうが)の市場投入を直近に控えているという事実からも明らかだ。

 そのウルスは、2018年のセールス開始から2年後の2020年7月には1万台を販売し、その後、昨年夏までの段階で1万5000台が販売されたが、このような例はもちろん過去のランボルギーニにはなかった。ウルスがフルイヤーの生産に入った2019年からは、ランボルギーニの全生産台数の半数以上はウルスが占める結果となり、それがもたらした利益がランボルギーニに第4のモデル、4ドアサルーンと噂されるニューモデルの開発に強い追い風を巻き起こしているという噂にも信憑性を生む。

 かつて、世界的な経済状況の悪化や、ランボルギーニの社内事情に影響されたとはいえ、満足な販売の数字を得ることができなかった「やっちまった」モデルと比較すれば、このウルスなどは「やりました」と大いに胸を張って誇るべき一台といえるだろう。いや間違いなくそうである。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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