じつは「産みの苦しみ」が理由の場合も! 昔と全然違うクルマなのに「復活車名」が付けられるワケ (2/2ページ)

形を変えて今も生き残ってるパターンもある

 ちなみにスズキでは、かつてオフロードバイクの愛称に使っていたハスラーを、後年になって軽自動車サイズのSUVに使用した。ホンダのトゥデイは、1985年に軽自動車として登場したが、生産を終えた後でホンダのスクーターの車名になった。

 従って、車名が復活した時の売れ行きも、商品力によって左右され、車名の良し悪しは関係ない。前述のタフト、ロッキー、キックスなどは好調に売れている。ミラージュもかつて人気を高めたコンパクトカーの車名だが、現行型は内外装の質感、居住性、走行安定性、乗り心地、静粛性などに不満があり、売れ行きは低迷する。

 インサイトは、歴代モデルがハイブリッド専用車という点では共通しているが、初代はふたり乗りのクーペで1999年から2006年まで生産された。2代目は低価格のコンパクトな5ドアハッチバックで2009年から2014年、3代目の現行型は3ナンバーサイズのセダンで2018年に登場している。

 このようにコンセプトがフルモデルチェンジの度に変わり、しかも途中に販売していない期間も挟まれるからユーザーが離れてしまう。その結果、インサイトは売れていない。生産期間や売り方も大切になるわけだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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