ハコスカかと思いきや「ラコスカ」! 日産のデザイナーも驚いた432RルックのZ34! 日産京都自動車大学校のカスタムカーが強烈なデキ (2/2ページ)

ハコスカにR34スカラインのエンジンやシャシーを移植!

 もう一台のハコスカはその名も「スカイライン」と直球だが、こちらはハコスカの車体をベースに、10代目R34型スカイラインのRB25DE型エンジンを含むパワートレインとシャシーを移植したもの。

 もちろんどれもポン付けとはいかず、RB25DEを搭載するにあたってはエンジンルーム内のフレームを移植。サスペンションも、ワイドスパンなR34用前後マルチリンク式をそのまま使用すると、とくにリヤタイヤがフェンダー内に収まらないため、短縮した上下アームを自作している。

 そしてもう一台、「シーマver,SUV」と名付けられたモデルは、2代目ムラーノに現行5代目シーマのマスクやランプ類を移植し、若者が乗っても似合う日産の高級SUVを作り上げたというもの。

 だがシーマはFRのセダン、ムラーノはFFのSUVと、とくにフロントまわりは長さも高さもオーバーハングの出方も大きく異なる。それでも自然かつSUVらしいデザインになるよう、バンパーやフェンダー、ボンネットの形状を、何度も試行錯誤しながら決めていったそうだ。

 加えてリヤも、シーマのテールランプをそのまま装着したのでは、バックドアとバンパーの境目から飛び出たようになるとのこと。そこで、バックドアの下側を大改造。内側のパネルを発泡ウレタン、外側のパネルをFRPで成形して、シーマのテールランプを装着しても違和感がなくスムースな面になるよう加工している。

 半ツヤマットのパールホワイトで塗装されたボディカラーも、「若者が乗っても似合う日産の高級SUV」とする上でのこだわりポイント。スプレーガンの移動速度や塗り重ねの回数次第で、色味やマイカ粒子の乗り方が大きく変わる傾向にあるため、バラつきが出ないよう特に意識して作業したことを、担当した学生は苦労したポイントとして挙げていた。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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