ガソリン価格高騰のいまこそ使うべき! 近頃のACCは「自分で運転」するより「燃費」も向上する (2/2ページ)

ACCによって燃費が約10%向上

 さて、ACCが高速走行でドライバーの運転に関わる負担を軽減してくれる機能であることは間違いないところだが、すでにACCを6年以上使っている筆者の経験では、ACCは実燃費向上にも役立つという印象を持っている。高速走行で、自身でペダル操作を行うとすれば、やはりペダル操作にムラがあったり、無駄に踏み込んでしまうこともある。しかし、ACC任せにすれば、最適な速度コントロール、制御がペダル操作なしで可能になる。よって、結果的に燃費が向上するというわけだ。以前、2日連続で東京~御殿場を東名高速道路で往復したことがある。で、試しに初日はACC不使用。2日目はACCを使用して走ったところ、初日の実燃費が約18km/Lだったところ、ACCを使って走った2日目は約20km/Lに実燃費が伸びたのである。つまり約10%の向上である。

 そのあとも、何度もそうした実験!? を繰り返しているが、丁寧なアクセルワークを心がけていても、やはりACCの賢い制御には敵わないと感じている。

 ACCのメリットはそれだけではない。前車との距離を一定に保ってくれるため、プレ自動ブレーキの役目を果たしてくれるとともに、車間が詰まりすぎたことによるあおり運転に勘違いされないという安全・安心まで手に入るのである。

 話は逸れるが、それを一般道で可能にしたのが、新型ノア&ヴォクシーの最新のトヨタセーフティセンスに含まれるプロアクティブドライビングアシストだ。ACCが使えない(自動車メーカー的に)一般道で前車との車間が詰まると自動で減速してくれて車間を保ち、なんとカーブまで認識。自動で減速してくれるのだから画期的だ(自転車や歩行者に対しても機能)。

 そして、あくまでも筆者のクルマでの話だが、速度の制御にブレーキシステムを使わないため(減速時にブレーキランプは点灯する)、ブレーキパッド、ブレーキローターの減りも最小限。利き優先でブレーキパッドが柔らかいとされるクルマにもう8年間乗っているが、ACCを常用しているせいか、いまだにパッド、ローターともに交換していない。

 そして当然、ACCによってペダル操作をする機会が減るため、走行中、足腰の疲労低減につながるとともに、靴底の減り、ペダルラバーの減りも軽減しているという印象だ。それって、高速走行での実燃費向上(車種によって異なる)とともに、経済的!? 効果と言えるのではないだろうか。

 付け加えるならば、高速走行中の渋滞時に一時停止し、作動が一時停止したあと、再発進にアクセルペダルまたはスイッチ操作が必要な渋滞対応ACCがある一方、たとえば、新型ノア&ヴォクシーのように、アクセルペダルまたはスイッチ操作が必要なしに自動再発進してくれるような高機能の持ち主もある。後者がより実用的で、ACCのメリットが最大限に生かされることは言うまでもない。ACCが付いているクルマであれば、機能の良否はともかく、せっかくの機能だから、ぜひ、使いこなしてほしい。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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