続々EVが登場する2022年! EVへの一般客の本音をディーラーで聞いたら反応は「鈍め」だった (2/2ページ)

日産の軽EVのデビュー時期は販売現場にも聞こえてこない

 日系ブランドでは、BEVのリーフを長い間販売してきている日産ディーラーへ行くと、「ちょうどリーフは改良のためオーダーストップとなっておりますが、在庫に余裕があり、お値引きもがんばらせていただきます」と、一般的な内燃機関車みたいな激しい売り込みをされてしまった。

「リーフも価格は結構するんですね」と話をふると、「確かに意外に価格は高めなのですが、その分はお値引きで……」とグイグイ押してきた。さすがにリーフで豊富に積み重ねた販売経験もあるのか、ある意味手慣れたイメージを強く感じた。

 アリアがちょうど発売になっているが、「アリアはすでにこれからご注文をいただくと、納車は早くて2022年末、まぁ2023年早々に納車になると考えていただいたほうがいいでしょう。こちらはリーフをはるかにしのぐ高い価格となっていますよ」とのこと。

 軽自動車規格のBEVについて聞くと、「販売現場へは、”いつごろデビュー予定”といった情報すら入ってきておりません。デイズのBEVでは価格がネックとなってしまいますので、価格に対する付加価値をどう演出するかでメーカーも悩んでいるようです。現状、軽自動車に乗られているお客様ではご興味を示していただけないでしょうから、e-POWER仕様のノートにお乗りのお客様などがターゲットとなるでしょうね」と語ってくれた。

 軽規格BEVでは、三菱も日産も「従来の軽自動車ユーザーがターゲットではない」というところでは一致していた。東京オートサロンに三菱はeKクロスベースのBEV軽自動車のコンセプトカー(K-EV コンセプトXスタイル)が出品されていた。あえてeKクロスベースで付加価値をつけてきているように見える。ただ、日産にはデイズとルークスしかないので、新たな価値観を軽規格BEVに付加しようとしているようである。

 ただし、依然として充電インフラ整備は販売のネックとなっているようでもある。「ショッピングモールへ行けば充電できますよ」と両ディーラーのセールスマンは話すが、充電時間とともに、充電というものへの漠然とした不安を消費者の多くが抱いている。

「良質なBEVがどんどん登場していますよ」というアピールだけではなく、やはり政府や自治体が汗をかいて、消費者の不安を解消するようなインフラ整備の同時進行がないと、セールススタッフも内燃機関に代わる積極的な販売促進も厳しいので、本格量販はまだまだ難しい印象を強く感じた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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