お金があっても「ほぼ不可能」な車種もある! 「欲しいクルマが日本で売ってない」場合に日本で乗るにはどうすればいい?

この記事をまとめると

■海外でしか売っていないクルマが存在する

■それらを日本で乗るためには並行輸入という手段がある

■方法やハードルについて解説する

主要メーカーの欧米仕様であればそれほど難しくない

 輸入車の場合、インポーターと呼ばれる正規代理店が扱うものはディーラー物や正規物と呼ばれる。一般的にはディーラーで買うのが普通なので正規物で、街中で見かけるもののほぼすべてが正規物だ。ただし、それ以外にもあって、それが並行輸入物だ。インポーターがメーカーから直接買い付けて販売するのではなく、現地のディーラーで購入したものを日本に送ってもらうというもの。オーダーは専門ショップか、猛者ともなれば自分で輸入することも可能だ。自分でやる場合は、現地の販売店などに日本に送ってくれるかを確認してOKならオーダー。また現地に専門の業者がいるので、そこに頼むという手もある。

 と聞くと、通販的な感じで簡単に思うかもしれない。実際、2000年ぐらいまではけっこう簡単だった。それが現在では世界的な安全基準の統一とレベルアップなどで、難しくなってきている面もある。たとえばFJクルーザーは並行輸入物が当初は人気だったが、正規販売が始まった時点では、海外仕様は保安基準の関係で輸入して登録することができなかった。

 ただし、「面もある」というのは簡単になっている部分もあるから。欧米仕様であれば世界的に統一された基準をパスしていることが多く、COCペーパー、WVTAラベル、FMVSSラベルなどが発行される。これがあれば日本の基準にもパスしていることになるので、改めて検査する手間はかからない。ただし排ガスの検査や騒音の検査は必要だ。いずれにしても、欧米仕様の日本車であれば入手して、日本で乗ることができる。

 問題はそれ以外で、たとえば中国メーカーのクルマを輸入してナンバーを付けて乗りたいというのはほぼ無理。理由は国際的な基準をパスしていないからで、自分でさまざまな試験を受けていけば可能かもしれないが、現実的には不可能だろう。もちろんナンパーを付けないで、たとえば自動車メーカーが研究用に欲しいという場合は、単純にクルマの形をした物という扱いなので輸入はできる。研究用であれば公道を走る必要はないし、分解してしまうのでナンバーは関係ない。

 結局のところ、日本も含めた主要メーカーの欧米仕様なら輸入はそれほど難しくはないので、現地にしかない日本車を購入するというのも可能だ。それ以外の国からの場合は車種とやる気、そして予算によるといったところだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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フィアット500(ヌウォーバ)/フィアット・プント/その他、バイク6台
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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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遠藤ミチロウ、岡江久美子

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