首都圏のクルマ好きには最高の立地! 袖ヶ浦フォレストレースウェイの走り方をプロが徹底解説 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■千葉県の袖ヶ浦にあるオススメなサーキットが袖ヶ浦FRW

■東京・神奈川からのアクセスもいい

■プロレーシングドライバーの中谷明彦が走り方を解説

首都圏のファンが練習するなら手頃なサーキット

 アマチュアドライバーにとっては敷居の高いサーキット走行。初めて走る時は走り方もライン取りもわからないだろう。そこで、「初めてのサーキット攻略法」をサーキット毎にまとめて、シリーズでご紹介していきたいと思う。

 以前公開した筑波サーキットコース2000編に続き、第二回は「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」をお伝えしよう。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイは千葉県の袖ヶ浦市にあり2009年にオープンした。FIA(国際自動車連盟)規格に従ったコースで、JAF(日本自動車連盟)公認サーキットでもある。これまでに全日本格式の大きな大会は開催されていないが、首都圏からアクセスがいいこともあって人気がある。

 コースの特徴は1周2.436kmで、筑波サーキットよりも少し長い。コーナー数は14あり、25RともっともRの小さいヘアピンコーナーが二箇所に配されている。一方高速コーナーは図面上は220Rの部分があるが、実際には95Rの第二コーナーがもっとも高速なコーナーといえるだろう。

 初めてサーキットに行く場合はおおよそのコーナーのRとポスト(フラッグポスト)のレイアウトを頭に入れておく。そして現地についたら位置関係を実際に視認することが大切だ。

 欧州のドライバーの多くは、初めて走るサーキットを訪れた時は歩いてコースを一周し、路面や縁石、ガードレールやサンドトラップ、エスケープゾーンの確認を行うのが常識だ。しかし、国内サーキットの多くはコース内の歩行を許可していないので、走り初めの数周はコースのインスペクションに当てる。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイは最大コース幅が18m。最小幅でも15mとゆとりがあるが、図面ではわからない路面のうねりや高低差もあるので、その確認も重要となる。

 コースインの際はピットロード出口の信号が青表示であることを確認する。そして世界中のサーキットがそうであるようにピット出口から続くホワイトラインを跨がないように慎重にコースインしていく。ピットロード出口から第一コーナーまでの距離は短く、ホームストレートを走ってくる車両がミラーで確認できる場合は第一コーナー手前で車速を落としてイン側に寄り、通過を待ってから進入するようにしたい。数台が連なって来る場合もあるので注意が必要だ。

 第一コーナーを通過するとやや登り勾配で第二コーナーへ続く。そこは最も高速となる90Rで、走行車両との速度差が大きくなるので注意。また2コーナーを頂点に第三コーナーへは下りとなっており、かつブラインドコーナーでもあるため慎重に通過しなければならない。

 この際にコース左側のポスト位置やコースアウトした際のグラベル、エスケープゾーンの広さなども確認しておく。

 第三コーナーへは下りながらの旋回減速区間で、袖ヶ浦フォレストレースウェイでもっとも究めるのが難しいコーナーでもある。減速区間には路面のバンプもあり、車両姿勢が不安定になりやすい。

 レーシングスピードで減速旋回をしてバンプに乗ると後輪荷重が抜けてリアブレーキがロックしやすい。そこでABS(アンチロックブレーキシステム)が介入すると4輪のブレーキ液圧が低下しブレーキが効かない状態に陥りやすくなる。ブレーキ性能に余裕があっても無理にコーナー深くまで突っ込まず、4輪の接地を保つようにフラットな車両姿勢で走らせるのがポイントとなる。

 4コーナーは25Rの低速ヘアピンだ。しかし3コーナーから不安定な姿勢でアプローチするので車速コントロールは難しい。また立ち上がりは登り勾配がついていて前輪駆動ではトラクションがかかりにくく、後輪駆動はパワーオンでスナップオーバーを発生しやすい。丁寧なアクセルワークが求められる。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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