兄弟車なのにbZ4Xは「リース&サブスク」ソルテラは「通常販売」! 初の本格EVの販売方法がトヨタとスバルで異なるワケ (2/2ページ)

EVのほうが整備や故障の頻度は少なそうだが……

 そもそもEVは、整備や故障の少ないクルマだ。エンジンオイル交換はない。回生を活かした減速を適正に使えばブレーキパッドの減りも少ない。法定点検以外に保守管理で多額の費用がかかることは稀なはずだ。つまり、EVを現金やクレジットで販売しても、消費者はほとんど不安なく利用できるということだ。

 逆にトヨタは、約10年遅れではじめてEVを販売するので、自分たちや販売店が不安だからサブスクリプションやリースに限定すると読めなくもない。前田昌彦副社長の「日本の充電網は未成熟」の言葉が象徴しているのではないか。

 一方で、定額利用というサブスクリプションは、音楽配信やスポーツクラブなどの利用で多くの人が気楽に楽しめる恩恵を提供している。時代に合った方法として、EVのみならずクルマ全般に行き渡ってもいい仕組みだ。現金一括でもクレジットでも、そしてサブスクリプションでもEVに乗れますと、単純にいえば済むことだ。

 スバル・ソルテラは、月販150台の計画だが、企業の旗頭としている「安心と愉しさ」をEVでも実現しようと、消費者とともに着実に進めていこうとする思いが、購入方法に制約をつけない販売とした理由ではないか。新しいことへの挑戦には不安が伴う。

 しかし、その痛みは企業と消費者と一緒に解決していこうとする姿勢は、まさに「安心と愉しさ」を共有しようというスバルの真心ではないか。

 太陽を意味するラテン語のソル、大地を意味するテラを組み合わせたソルテラという車名には、明るい未来を想像させる希望が読みとれる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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