販売はもちろんメンテ作業への不安! 週休3日も検討されはじめた新車ディーラーの人材不足問題 (2/2ページ)

限られた人員による効率的な店舗運営が必須となっている

 いままで述べてきた影響も大きく、現在のように積極的に2日間の完全定休日を設定するようになってきたようである。新車販売が伸び悩む昨今では、とにかく限られた人員のなかで効率的な店舗運営が要求される。その意味では、いまのような傾向は消費者としては、ある程度は許容しなければならないだろう。

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 交代で休むことになると、店は開いているが担当セールススタッフは休みを取っているということもよく発生する。「今度はいつ休みなの?」と聞いておかないと、いるのかいないのかはっきりしないのは、ある意味顧客満足度への悪影響にもつながるという配慮もあるのかもしれない。

 アメリカでは定休日を設けない新車ディーラーがほとんど。ただし、日曜日はメカニックが完全休業しているところが多く、月曜日にはほとんどセールスマンがいないというディーラーが筆者の経験(現地でディーラーまわりをすると)からいくと多かった。ただ、タイでは日曜日には新車ディーラーは軒並み定休日として店を閉めている。「平日に新車を買う人が多く、日曜日に店を開けていてもお客が来ない」というから、これは国民性に合わせて対応しているようだ。

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 日本に話を戻すと、現場からは、「会社としては週休3日制導入の検討に入ったようだ」という話も聞くようになった。どのように休むのかは不明だが、定休日を2日にして残りを交代で休むにしても、定休日を3日にしても、ここまでくると新車販売はともかく、定期点検など既納客へのアフターサービスの提供では問題が出てくるだろう。

 定休日の少ないディーラーでも、日々の点検入庫数は少ないメカニックがフル稼働してやっとこなせる状況となっている。定休日を増やして、はたしてまわすことができるのかと不安になるが、交代で休む日を増やしても、作業効率を考えればたいして変わらないだろう。

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 ちなみに日本では、アフターメンテナンスについても10時開店に合わせてスタートとなるが、アメリカでは午前7時台ぐらいから工場を開けるのが一般的。クルマが日々の移動手段として手放せない国なので、出勤時に愛車を点検などで持ち込み、そこからは代車を借りたり、シャトルバス(ミニバン)でオフィスまで送迎してもったりして、夕方の帰宅時に点検済みの愛車を受け取るというサービス対応をしているからである。

 もちろん、店舗へ車両を持ち込み、そのまま点検を待つお客向けの飲み物や軽食サービス(もちろん無料)付きのサロンも日本を軽く超えるレベルで充実している。

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 働き方改革や業務の効率化などで定休日を増やすこと自体に文句を言うつもりはないが、ユーザーや新車購入希望客へのしわ寄せが許容範囲を超えてしまう事態となれば、少々問題ありと言わざるをえないだろう。しかし、問題解決となる働き手不足対策はいまの日本ではまず期待できないし、労働集約型産業の新車ディーラーであっても、一度減らした人員を積極的に増員するのは厳しいものがあるだろう。

 あるセールスタッフは、「すでにロボットが頼んだ食事を運んでくるファミリーレストランが出てきています。そのうち、セールススタッフ自体が大幅に減り、新車販売ではその存在がなくなり、オンライン販売がメインとなって、店頭にこられてもセールススタッフ型ロボットのようなものから新車が買えるような時代がくるかもしれないですね」と冗談半分に語ってくれた。

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 しかし、そこで問題がひとつ。日本は新車販売だけでなく、ありとあらゆるところでデジタル化が遅れており、新車を購入したあとはいまだに紙ベースで書類のやりとりをしなければならず、そのことがネックとなってくるだろう。

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 いまの新車販売現場は、1980年代ころから基本的な部分は大きく変わっていないともいわれている。基本フォーマットが昭和で事実上止まっているなか、マイナーチェンジで令和に合わせようとしても無理があるのは当たり前だ。ただし、こればかりは新車販売の世界だけではどうしようもできない問題ともいえるのだ。

名前:
小林敦志
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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味:
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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