パンクもしてないのに空気が抜ける! 時間と共にタイヤの空気圧が下がるワケ (2/2ページ)

窒素ガスを入れるとメンテナンスが少し楽になる可能性あり

 では、これだけの原因で空気圧は低下するのだろうか。大事な要素をひとつ見落としていた。タイヤ内部の封入気体が、タイヤゴムの分子間をすり抜けていってしまう例だ。パンパンにふくらませた風船が、しばらく経って気がついたら、空気が抜けてしぼんでいたという経験はないだろうか。中に入れた空気が抜け出ないよう、風船のふくらませ口を縛っているが、そこでの密閉状態が完全ではなく、そこから漏れ出ていったとだけ考えてよいものなのだろうか?

 空気を構成する窒素分子や酸素分子が、タイヤのゴム分子間をすり抜けて漏れ出てしまっている、という見方もできるのだ。その際、酸素より窒素のほうが分子が大きいので、酸素のほうが漏れ出やすい、と考えることができる。

 ちなみに、タイヤの封入気体を空気ではなく窒素を使う例もあるが、窒素は常温、常圧下ではきわめて不活性な物質であり、かつ他の不活性ガスと比べると安価なため、タイヤの使用条件を安定させたい(温度変化による体積変化など)航空機やレーシングカーなどで好んで使われている。空気漏れに関しては、酸素よりは漏れにくいというレベルで、タイヤ内圧が低下しないということではない。

 ちなみにタイヤの空気圧管理は、乗っても乗らなくても、1カ月に1度の定期チェックで十分対応できると考えてよいだろう。ちなみに、窒素ガスの充填は、ネットで調べてみたところ、1本あたり500〜600円程度でタイヤプロショップが行っているようだ。気になる方は、1度試してみるとよいかもしれない。


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