富士24時間のS耐に「トップラリードライバー」が3人参戦! まったく違うフィールドでの走りやいかに? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スーパー耐久シリーズの第2戦として、「NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」が開催

■ラリードライバーたちの参戦が注目を集めた

■レース結果やドライバーたちの声をお届けする

ラリードライバーたちの参戦が注目を集めた

 スーパー耐久シリーズの第2戦として6月3日〜5日、富士スピードウェイを舞台に開催された「NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」にはさまざまなマシンが集結。さらにドライバーに関してもさまざまなカテゴリーから幅広いメンバーが顔を揃えていたが、なかでも注目を集めていたのが、ラリードライバーたちの参戦と言えるだろう。

 富士24時間レースにはトヨタGRヤリスを武器に全日本ラリー選手権に参戦する勝田範彦がORC ROOKIE Racingの「GR Corolla H2 Concept」でST-Qクラスに参戦。同じくスバルWRXで全日本ラリー選手権に参戦する鎌田卓麻がTeam SAD Engineeringの「BRZ CNF Concept」で参戦するなど現役ラリードライバーが過酷な24時間レースに参戦していた。

 まず、勝田の富士24時間レースへの参戦は2020年以来、今大会が2回目で「前回に比べるとラクになりました。マシンコントロールはラリーと変わらないけれど、レースは“待ち”の状態が多いので、ちょっと無駄な操作が多かったり、ブレーキングに関してもレースではドッカーンと踏んだほうがいいんだけど、ラリーではマージンを残して走るから、ちょっと余らせたりとドライビングの仕方がかなり違います。それでもラリーと違ってレースは何周もできるから、いろんなチャレンジをしてみたい」とのこと。さらに2020年はGRヤリスだったが、今大会は水素エンジン搭載のカローラで、そのマシンのフィーリングについて勝田は「フィーリングはガソリンエンジンと変わらない。高回転は回らないけれど、低速トルクがあるからラリーの競技車両に似ているかも」と語る。

 一方、スバルドライバーのひとりとして、富士24時間レースへ初参戦を果たした鎌田だが、これまでメディア対抗ロードスター4時間耐久レースや86/BRZレースの経験を持つことからスムースに対応。「コンディションのわからないラリーはマージンを残したドライビングになりますが、レースはグリップがわかっているのでタイヤの使い方が繊細です。それにレーシングドライバーはブレーキングがうまいので学ぶことが多い。あとサーキットはストレートとかで休めますが、ラリーのSSは休めないので集中の仕方も違ってくる」と鎌田はレース競技とラリー競技の違いを分析。そのうえで「レースはコース上に相手がいるし、レースはレースなりの走り方が必要ですが、違和感なく対応できていると思います」と語る。

 こうしてふたりの現役ラリードライバーたちは、慣れないながらもレースシーンに対応。事実、勝田のチームメイト、佐々木雅弘は「マシンのコントロールは抜群に上手いです。最初はレースに慣れていないことから、勝田選手は遅いクルマを交わしたり、速いクルマに道を譲ったりすることに苦戦をしていましたが、ラップを重ねるごとにスキルアップしているので決勝ではまったく問題ないと思います」と勝田を評価すれば、鎌田のチームメイト、山内英輝も「ラリードライバーのなかには、サーキットでもテールスライドさせるようなクセのある走りをする選手もいますが、鎌田選手はうまくサーキットにアジャストしています」と評価が高い。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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