富士24時間のS耐に「トップラリードライバー」が3人参戦! まったく違うフィールドでの走りやいかに? (2/2ページ)

ナイトセッションではハプニングが発生!

 まさに勝田&鎌田のラリードライバーたちはサーキットでも素晴らしいパフォーマンスを見せていたのだが、ナイトセッションで予想外のハプニングが発生した。

 まず、「1回目のスティントは問題なかったんですけどね。2回目にスピンしてぶつけてしまいました。アライメントは問題なかったので自走で帰れたけれどチームに申し訳ないことをしましたね」と語るように2度目のスティントに挑んだ勝田がヘアピンでスピンを喫し、フロントセクションを破損。その修復で予定外のタイムロスを強いられることになったのである。それでもGR Corolla H2 Conceptはフロントのリペアのほか、ブレーキ関連などの交換なども行い、無事にレースへ復帰して周回を重ねていった。

 一方、鎌田の駆るBRZ CNF Conceptも2回目のスティントで予想外のハプニングが発生した。最後尾から激しい追走を見せていたBRZ CNF Conceptだったが、ミッシュントラブルで緊急ピットイン。その交換に手間取り、大幅なタイムロスを強いられることになったのである。それでもBRZ CNF Conceptはレースへ復帰し、チェッカーを目指して走行を継続。

 このように紆余曲折を繰り返しながらも、ラリードライバーたちのマシンは24時間を走破し、勝田の駆るGR Corolla H2 Conceptは478周でチェッカーを受け、ST-Qクラスの6位で完走。一方、鎌田の駆るBRZ CNF Conceptは624周でチェッカーを受け、ST-Qクラスの3位で完走を果たした。

「最初は不安定でしたけど最後はペースも安定してきましたし、走り方のヒントも見つかりました」と勝田が語れば、鎌田も「クルマを壊さずに繋ぐことができたので良かったですね。抜く、抜かれるのが苦労しましたが、消耗した時のタイヤの使い方が勉強になりました」と語っているだけに、全日本ラリー選手権で活躍する両ドライバーにとって、富士24時間レースは貴重な経験となったに違いない。

 なお、現役ラリードライバーではないが、かつてWRCで活躍し、現在はトヨタGAZOOレーシングWRTで監督を務めるヤリ-マティ・ラトバラもGR Corolla H2 Conceptで富士24時間レースに初参戦。水素エンジン車に乗ってみたいと豊田章男社長に話をしたところ、「それなら富士24時間レースに出てみないか?」と誘われたことで今大会の参戦が実現したという。

「2010年にニュルブルクリンク24時間レースに参戦しているけれど、それ以来のレース参戦。水素エンジン車はとても面白いクルマで、ガソリンエンジン車とフィーリングは変わらない。久しぶりのサーキットレースだし、右ハンドルに苦労しているけれどミスをしないように走りたいね」とラトバラ。さらに今大会の目標について「MORIZOさんに勝ちたい。勝てば自分のミュージアムにWRC用のヤリスを展示することができるから、なんとしても勝ちたい」とのことだ。

 レース中のべストラップを比較してみるとMORIZOの2分02秒256に対して、ラトバラが2分01秒757でラトバラの勝利?

 このように2022年の富士24時間レースはラリーファンにとっても魅力満載の一戦となったに違いない。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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スバル・フォレスター
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登山
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