ステップワゴンも廃止! 「横開き」のリヤゲートが最近のクルマから消えつつある理由 (2/2ページ)

愛犬家にはメリット絶大!

 が、じつは横開き式リヤゲートにもメリットはある。まずは、開閉操作が軽く、ラクで、身長の低い人でも開けやすいこと。そして5代目ステップワゴンのわくわくゲートの横開き式サブドアが示すように、車体後方にスペースがない場所でも、リヤゲートを大きく開ける必要なしに荷物の出し入れがしやすい点などだろう。また、ペット関係の職業、愛犬家にとってもメリット絶大で、ガバッと開く縦開き式だと、ラゲッジルームに乗せた犬(ペット)が飛び出す可能性があるのに対して、横開き式なら少しずつ開けることができ、人の体でブロックしやすいため、安全に犬(ペット)を降車させることができるのだ。動物プロダクションやブリーダーなどが、横開き式バックドアを重宝している理由がそこにある。

 とはいえ、すでに説明した縦開き式のリヤゲートの操作性が重い……という点に関しては、ダンパーのおかげで比較的軽々と開け閉めできるようになっているし、より大きなリヤゲートを持つミニバンやSUVなどはパワーテールゲートを用意したり、新型ノア&ヴォクシーのように、パワー、非パワーテールゲートを問わず、カラクリによって任意の位置で開閉を止められるから、以前のような縦開き式リヤゲートのデメリットのほとんどが解消されているのも事実。加えて、縦開き式リヤゲートでも、ヒンジの位置の工夫で車体後方に大きくはみ出さない開閉が実現されているクルマもあったりするのである。

 ただ、現実的に駐車スペースの関係で、車体後方にスペースが取れず、大きく開く縦開き式リヤゲートだと使いにくい、という人もいるはずだ。ならば、ボックス型ミニバンなら先代ステップワゴンのわくわくゲート(中古車)を手に入れるか、輸入車になってしまうが、ルノー・カングーや、なんとリモコンキーで開くこともできるミニ・クラブマンのような観音開き式リヤゲートを持つクルマを選ぶといいだろう。観音開き式リヤゲートなら1枚ものの横開き式リヤゲートよりさらに省スペースでリヤゲートを開閉することができる。もちろん、テールゲートを日よけのひさしとして活用したり、雨宿りすることはできないけれど……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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