正確なモデルチェンジ情報がなくても予測で売るしかない! 新車の納期遅延が招いている販売現場の大混乱 (2/2ページ)

今後の動きを予測しながら商談を進めざるを得ない

 あるトヨタ系ディーラーセールスマンは、「メーカーから日々提供される生産や配車状況に関する情報に対して、自分たちがどこまで“裏読み”できるかが大切になっています」と語ってくれた。まさに“デイリー”といっていいほど車両の生産状況は変化しているので、その動きのなかで、“改良が入りオーダーストップとなりそうだな”などと情報を分析して販売促進に活かさないとなかなかやっていけないとのことであった。納期遅延が顕著な人気車のご商談を始める場合も、ご希望の仕様をお聞きし、商談前に購入希望車種の配車状況がどうなっているのか(当然はっきりしたことは確認できないが、どこまで深刻なのかといった様子ぐらいは探ることができる)を必ず確認するようにしないとトラブルになってしまうといった声もセールスマンから上がっているようだ。

 現状では“注文して納車を待っている間に改良などの変更があっても、そのまま改良後モデルに変更して購入します”というような、一般的には“念書”と呼んでいい書面を受注時に交わすケースが多くなっているが、この書面自体に法的拘束力はなく、トラブル回避の抑止効果しかないのが現状。そのため、改良時期から逆算してバックオーダー消化に必要な長い期間をオーダーストップとするケースが今後は多くなっていくことになるだろうが、販売現場ではすでに把握できないぐらい状況は複雑化してきているようである。

 販売現場ではすでに次期型プリウス(正式発売スケジュールなどは当然未定だが、2022年末もしくは2023年の年明け早々にはデビューするのではないかと想定されている)の購入意思確認を進めているとも聞いている(正式発注はかけられないが、納車の優先順位を確保するためでもあるようだ)。新車購入の現状は長期戦がやむをえなくなっているが、納期遅延が長期化していくなかで、モデル改良時期というものが今後は事態をより複雑化させていくことは間違いないようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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