【試乗】タフギアのエクストレイルにe-POWERってアリ? と思ったらアリだった! 新型に乗ったらタフな上に上質までプラスして死角はほぼナシ (3/3ページ)

キックスにも待望の4WDが登場!

 だが、日産はソコに対しても答えを出していた。

 かつてのエクストレイルよりも大きいのはちょっと……、というユーザーに対しては、FFモデルしか存在しなかったキックスに対し、今回のマイナーチェンジで4WDを投入してきたのだ。

 フロントモーターが変更となり出力は約5%、最大トルクは約7%向上。最高出力100kW、最大トルク280Nmとなる。一方、リヤには最大出力50kW、最大トルク100Nmのモーターを搭載する。

 センターコンソールが改められ、シフトまわりが近年の日産車と同様になったコクピット、そして内装色を改めたことはなかなか新鮮だ。

 走り始めればなかなかトルクフルに動き出し、キビキビとした身のこなしが感じられる。フル加速をするとエンジンがフワッと吹き上がってしまうところはエクストレイルとは違った感覚で、エンジンの存在をかなり感じるが、静かに走ればもちろんそんなことはない。リヤが蹴り出す感覚はそれほど強くないが、回生ブレーキ時のノーズダイブの少なさは4WDならではの世界観。e-4ORCEに慣れきった身体からすれば、運転手が曲げなければならない従来通りの仕上がりに新鮮味はないが、低ミュー路に行けばしっかりとしたトラクションを生み出してくれるのは間違いないだろう。

 e-Pedal step作動時にブレーキ協調をしていないため、違和感が少ないところは好感触だ。そしてやはり全幅1760mmのサイズ感は扱いやすく手の内に収めやすいことは間違いない。エクストレイルで走った時より車線が広く感じるところも嬉しい。

「エクストレイルじゃ大きすぎるな」という向きにはコチラを、と4WDを準備したあたりはさすがである。新車ラインアップの充実により、全方位でユーザーの使い方に細かく合わせられるようになった今日の日産は、どこか元気を取り戻してきたと感じずにはいられない。エクストレイルとキックス4WDをほぼ同時にリリースするあたりが、その証拠と言っていいだろう。


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