【試乗】電気自動車の斬新さがガンガンに伝わってくる! 日産アリアは新世代BEVとしての素質に溢れていた (1/3ページ)

この記事をまとめると

アリアはバッテリー容量で2種類、駆動方式にFF/4WDがあり4種類から選択可能

■ティアナを彷彿とさせるような上質なインテリアもある

■タイヤが数回転するだけで静かで滑らかな走りをもつクルマだとわかる

未来的で先進的なスタイリングに加えて使い勝手が良い

 日産自動車がリーフに続くBEV(電気自動車)の第2段としてアリアを登場させた。2021年11月に発表されすでに多くの予約受注受けているという。そのアリアに試乗する機会が得られた。アリアにはバッテリーの容量に応じて「B6」や「B9」といった2種類のバリエーションがあり、また、それぞれにFFの前輪駆動車と、リヤにもモーターを装着した4WDモデルEフォース(e-4ORCE)も設定されていて4つのモデルから構成されている。

 今回試乗に用意されたのは「B6のFFモデル」だ。バッテリーの容量は66kWhで航続距離470kmをWLTCのモードで達成している。これは日常的な使用においては一般ユーザーの95%の使用条件を満たせる航続距離になっているという。

 車体の外観は非常に未来的で先進的なスタイリングであり、また造形美があってひと目でかっこいいことがわかる。空気抵抗の非常に小さそうな滑らかなボディラインでクロスオーバー系SUVとしてやや高い車高とホイールアーチモールなどの華飾も施されている。ホイールベースは2775mmと長く全長4595mmに対してタイヤが四隅に配置されているようなデザインで非常に安定感のあるフォルムと言える。前後のオーバーハングが短く見た目のバランスをよくしている。

 クルマに乗り込むと極めて質感の高いインテリアが迎えてくれる。以前、日産にはインテリアの上質さを謳う「ティアナ」というクルマがあったが、それを彷彿とさせるような木目調のダッシュボードに高品質なナッパレザーのシートなども用意されている。ドライバー正面には12.3インチのモニターが横2列に配置され、さまざまなインフォーテンツが表示される。とくにダッシュボードセンター上モニターに大きく表示されるナビゲーション画面は指で右にスワイプさせることでメーター内液晶画面に表示させることが可能で、新しい使い方を提案している。全般的にメーター表示が大きく見やすい。センターコンソールは前後に15cmほど電動で移動させることができ、ドライバーの身長やドライビングポジション、着座位置に合わせて使い勝手をよくしている。

 このセンターコンソールには非接触型のスマートフォン充電器やカップホルダー、シフトセレクターそしてドライブモードセレクターやワンペダルセレクトスイッチ、パーキングアシストスイッチが配置されるが、それらは物理的なスイッチではなく、触感を混ぜた感覚でタッチ操作できる新しいタイプのものだ。同様にエアコンの操作スイッチ関係もダッシュボードの木目調パネルのなかにタッチ操作スイッチとして仕込まれ、これはイグニッションがオフでは透過照明が消えてほぼ視認できなくなり、インテリアの雰囲気を崩さずに過ごせるように配慮されている。助手席やダッシュボードセンター部分の下側には物入れが備わり、また、ドライブスルーも可能と言えるようなフラットなフロア配置で実用性が高そうだ。

 2775mmのホイールベースで後席の足もとは極めて広くゆとりがある。身長170cmの筆者が座ってもひざ前に25cm以上のゆとりがある。ただ、低くなったとはいえ床下にバッテリーがあることによりヒップポジションとフロアの高低差はあまり大きくはなく若干長時間では腰に負担のかかりそうなポジションとなる。後席にもシートヒーターが備わり、リクライニング機能もあるのは大いに歓迎される部分である。試乗車はオプションのガラスサンルーフを装備していたことで後席のヘッドクリアランスはいささかスペースが足りないように感じる。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

新着情報