カーボンニュートラル燃料で闘うSUBARU BRZ CNF concept! S耐第3戦SUGOで快速っぷりを見せつけた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■カーボンニュートラル燃料で闘うBRZがS耐に参戦している

■第2選富士では望んだような結果ではなかったが第3戦SUGOラウンドでは快走

■ほぼ同等スペックのトヨタGR86に大差を付けてフィニッシュした

技術スタッフも一丸となってマシンに手を加えた

 7月10日(日)、宮城県村田町のスポーツランドSUGO国際レーシングコース(3.586km)で本年の「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第3戦 SUGO SUPER TAIKYU 3 Hours Race」決勝レースが行われた。グループ2のST-QクラスにTeam SDA Engineeringより出場した61号車SUBARU BRZ CNF concept(井口卓人/山内英輝/廣田光一)は、ノートラブルで107周約384kmを走破。ほぼ同等スペックの新型トヨタGR86が出場するST-4クラスの優勝車両に大差をつけて、チェッカーフラッグを受けた。

 前戦富士24時間では、予選で61号車にトラブルがありタイム比較ができず、完走を果たしたものの決勝レースではST-4クラス優勝の86号車TOM’S SPIRITチームには大きく水を開けられていた。「なんとかSUGOでは一矢を報いたい」、これがTeam SDAメンバーの心の底にあったはずだ。

 そして、5週間後のSUGO戦レースウィークは、木曜日まで富士スピードウェイでGT300のテストがあったため、同日の練習走行には井口と山内の姿はない。一方、全日本ラリー選手権ラリーカムイに出場予定の鎌田卓麻が北海道からヘルパーとして練習に参加し、61号車の仕上がりを確認している。翌日金曜日の練習走行から井口・山内も合流したが、やけにピットの雰囲気が明るい。とくに、感情が顔に出やすい山内は、「何の問題もないです。楽しいです」と話すほどだった。

 Team SDAの本井雅人監督は、「菅生は300kmレースなので、速さにフォーカスして”飛び抜けた”チャレンジをしてみよう、とプロジェクトに参加しているメンバーに話しました。すると、ボディ設計のメンバーから、『富士24時間で装着していたフォグランプの場所を活用して、フレッシュエアをストレートにエアボックスに導いたら効果的なラム圧活用ができるはず』という提案を受けたのです。元々それが効果的なのはわかっていましたが、まさかボディ設計からそんな提案が出てくるとは想像もしませんよね。普段話すこともないと思われるパワーユニットの担当者と連携してバンパー内部にチャンバー的なスペースを置く提案が届き、それに従って改造することにしました。その結果、エンジン出力は10数馬力向上しています。これって、このプロジェクトが目論む組織に横串を通した開発そのものです。とても頼もしいと感じました」と語る。

「また、開幕と富士24時間で悔しい思いをした足まわり担当の若手エンジニアが、いろんな改善提案をしてきました。今回彼はあえて今回サーキットには来ていないのですが、現地から取り立てのデータをオフィスで共有して解析し、理屈をつけて改善を進める遠隔セッティングを提案してきました。それが的を射ていて、ドライバーからは大変ポジティブなコメントをもらいました。ドライバーから合格の評価を聞くと、嬉しいですよね。担当者にも大きな自信になったと思います。未知の経験が、人を育てるという一例になったと思います」と語ってくれた。


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