トヨタとスバルに敬礼! 改めて見たら「86&BRZ」の功績が偉大すぎた (2/2ページ)

2台の存在によってクルマ業界全体が盛り上がった

ロングライフでも常に新鮮であり続けた

 これだけ長年販売して、コンスタントに売れ続けたのはファンを飽きさせなかったという取り組みにもあるだろう。両車は2016年にマイナーチェンジを行い、性能が向上した後期型となったが、それ以外にも毎年と言っていいほど各所に改良を施し進化を繰り返してきた。また、86で言えばGRMNや14R-60、BRZで言えばtSといった高性能特別仕様車や、86のブラッシュグリーンリミテッドやブラックリミテッド、BRZのイエローエディションやクールグレーカーキエディションなど限定カラーモデルを登場させ、常にモデルに新鮮さを出していたのもこのFRスポーツ成功の秘訣と言えるのではないだろうか。

エントリーカテゴリーに大きな功績を残した

 そして、86/BRZはモータースポーツの世界において大きな功績を残したと言える。86/BRZのモータースポーツと言えば2013年から始まったナンバー付きワンメイクレースの86/BRZレース(現GR86/BRZカップ)のイメージが強いだろう。

 たしかにこのレースも大いに盛り上がり、新たなモータースポーツ参加者を増やしたかもしれない。しかし、より参戦の敷居が低いジムカーナやダートトライアルなどいわゆる「Bライ競技」にこそ、この両車の存在は大きな影響を与えた。それまで現行で目ぼしいベース車がなかったジムカーナやダートトライアルだが、86/BRZの登場により参戦可能なクラスはそれまでよりも大いに台数が増えたという印象がある。

 現行車で手ごろなFR、また荷物も積めるということもあって、このカテゴリーでは大いに重宝される存在となったのだ。参加台数が増えるということはライバルが増えるということ、「競走」を求めるドライバーたちは、86/BRZを新たに購入しそれまで戦ってきたクラスから転向するという例も見受けられるほどだった。

これからも身近なFRスポーツとして

 新規のスポーツカーという難題ビジネスを成功させた86/BRZは、我々クルマ好きにとってはもちろん、自動車業界を始め、モータースポーツ業界やアフターパーツ市場にとって大きな功績を残したモデルと言えるだろう。このモデルがあったからこそ、さまざまなビジネスが生まれ、クルマ遊びの文化が再び活気づいたと感じている関係者は多くいるはずだ。

 現行型になってもその点は変わっていない。すでにワンメイクレースも始まっているし、Bライ競技でも参戦が多く見受けられる。更にはアフターパーツ市場も新型GR86/BRZ向けのパーツを続々と開発している。これからもこのモデルが売れ続けて進化するとともに、FRスポーツの裾野、クルマ遊びの裾野を広げ続けていってくれることを願いたい。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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