F1やWRCでも見られない「タイヤ戦争」! 4社が想像を絶するガチバトルを繰り広げる「スーパーGT」の中身をヨコハマゴムに直撃 (1/2ページ)

F1やWRCでも見られない「タイヤ戦争」! 4社が想像を絶するガチバトルを繰り広げる「スーパーGT」の中身をヨコハマゴムに直撃

この記事をまとめると

■スーパーGTはタイヤのマルチメイクを採用

■ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ、ミシュランが参入し、開発競争を展開している

■スーパーGTに使用されるタイヤについて開発陣にインタビューを行った

タイヤのテストができる回数はレギュレーションで決められている

 F1およびWRCのピレリを筆頭に、国内外の多くのカテゴリーでタイヤのワンメイクコントロールが行われるなか、スーパーGTではタイヤのマルチメイクが採用されている。現在、GT500クラス、GT300クラスの両クラスともに、ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ、ミシュランと4社が参入し、激しい開発競争を展開。当然、予選、決勝ともにタイヤの特性がリザルトを左右するシーンがみられるが、果たしてスーパーGTに使用されているレーシングタイヤはどのような特徴があるのか? GT500クラスとGT300クラスで何か違いがあるのか?

 というわけで、ここではスーパーGTに参戦するほか、スーパー・フォーミュラにもオフィシャルサプライヤーとしてタイヤを供給するヨコハマを直撃。第4戦の舞台、富士スピードウェイの会場でMST開発部の清水倫生氏とMST開発部の技術開発1グループリーダーの白石貴之氏にスーパーGTにおけるタイヤ開発の状況を伺ってきた。

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MST開発部の清水倫生さんとMST開発部の技術開発1グループリーダーの白石貴之さん画像はこちら

──先程、タイヤサービスを見せて頂いたんですけど、タイヤがいっぱいありましたね? そもそも1レースで1チームが使えるタイヤに本数の制限はあるんでしょうか?

 白石氏:ありますよ。通常の300kmのレースはドライで6セット、ウエットが7セット。今回の富士は450kmレースなので、ドライ、ウェットタイヤともに1セットがプラスされます。

タイヤのイメージ01画像はこちら

──なるほど。使用できる本数に供給するチーム数をかければタイヤの本数になりそうですね。ところで、ヨコハマはGT500クラスに対して「WedsSport ADVAN GR Supra」と「リアライズコーポレーションADVAN Z」の2台、GT300クラスには15台にタイヤを供給していますが、そもそもGT500クラスとGT300クラスでタイヤは違うのでしょうか?

 白石氏:見た目は丸くて黒いものですが、違うタイヤで共通の部分は少ないです。というのもGT500クラスとGT300クラスでクルマが違いますよね。GT500は車両重量が軽くてスピードも速いし、ダウンフォースもGT500のほうが高い。タイヤとしても普段は軽くて、ダウンフォースがかかって重くなった時にも対応できるようにしないといけないので、GT500のタイヤは広い荷重レンジをカバーできるようなタイヤになっています。

──GT300クラスのタイヤをGT500のマシンに使ってしまうと耐えられないんですね。ところでGT500の2台、GRスープラとZは同じタイヤなんでしょうか?

 白石氏:本当は同じタイヤが理想なんですけど車種やチームのセッティングも違うので、タイヤもそれに合わせて開発しています。

日産Zの走行シーン01画像はこちら

──GT300クラスも車種ごとに違うんでしょうか?

 白石氏:GT300は「GT3」と「JAF-GT(注:GT300)」、「マザーシャーシ(注:GT300MC)といったように、まずは車両の形式によってタイヤも変わってきますし、FRやミッドシップなど、そういったレイアウトでも変わってきます。あとはタイヤサイズも違います。GT-3の日産GT-R GT3やJAF-GT、マザーシャーシなどは4輪ともに330/710/R18で同じサイズなんですけど、他のGT3車両は前後でタイヤサイズが変わってきます。

──GT500とGT300でタイヤは異なるし、同じクラスでも細分化されているんですね。ところで、ヨコハマはスーパー・フォーミュラにもタイヤを供給していますが、スーパー・フォーミュラもやっぱり違うタイヤなんですよね?

 白石氏:まったく違います。スーパー・フォーミュラはスペックが決まっていて、季節的には暑い時期から寒い時期まで、サーキットについてもタイヤの負荷のかかる鈴鹿から、負荷の少ない岡山まで、どんなレンジでも対応できるタイヤを目指して開発しています。

──たしか、スーパー・フォーミュラはタイヤの種類もドライとウエットで各1種類でしたよね。スーパーGTはドライだけで何種類もあるんでしょうか?

 白石氏:基本的に1レースでドライは6セットしか使えないので、大雑把に言えばソフト側とハード側で1種類ずつ持ち込むケースが多いです。

マシンに装着されるアドバンのタイヤ画像はこちら

──レースに持ち込むタイヤは事前テストの結果で決めるんでしょうか?

 白石氏:シーズン中のテストの回数はレギュレーションで決められており、今年の当社のケースでは4回になるのですが、それに対してレースは8戦あります。テストを実施した場合はその結果でスペックを決める場合もあるし、テストができない場合は、他のテストやレースの結果をみながらスペックを決めています。

──各ラウンドに違うタイヤを投入していると思いますが、だいたい準備期間はどれくらいなんでしょうか?

 白石氏:タイヤは各レースでスペックは違います。準備期間は1カ月ぐらいです。

名前:
廣本 泉
肩書き:
JMS(日本モータースポーツ記者会)会員
現在の愛車:
スバル・フォレスター
趣味:
登山
好きな有名人:
石田ゆり子

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