大本命はクロスオーバー? セダンは保険か!? 新型クラウン4モデルの「デザイン」に「らしさ」はあるか (2/2ページ)

1番の本命はクロスオーバーと考えられる

●横展開でコマをそろえたスポーツとエステート

 さて、巷では顔がフェラーリに似ているという「スポーツ」ですが、クロスオーバーより200mm以上短く、20mm高くなったボディは、どちらかというと欧州を中心としたハイパフォーマンスSUVに切り込む役割があるように見えます。BMWの「X6」やアウディの「Q6」、あるいはメルセデス・ベンツの「GLE」もカバーしそう。リヤのクセのあるランプ形状なども、そこで生き残るための個性と考えられます。

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 残る「エステート」も、かつてのクラウンワゴンの後継というよりは、これもまたドイツプレミアム勢のワゴンタイプや、あるいはボルボなども仮想敵なのでは? と思わせます。クロスオーバーと同一の4930mmの堂々とした全長や、スポーツとは異なるスッキリしたリヤランプまわりのデザインもその理由です。

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 3つのボディはいづれも曲面基調で、躍動感を持つエモーショナルな面構成がセダンと異なる特徴です。とくに、小さく見せたキャビンや、ドアからリヤに向けて大きく張り出したフェンダーが共通の造形。いずれも、近年のトヨタ的なアグレッシブさを前面に出したスタイリングです。

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●どのボディがクラウンらしいのか?

 では、どのデザインもクラウンらしいか? と言えば少々疑問で、商品企画的には、先述のとおり流行のSUVとセダンを融合したクロスオーバーに説得力を感じる一方、セダンはこれに対する保険であり、スポーツとエステートは華々しいデビューを演出する予備駒なのでは? と思えます。

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 つまり、クロスオーバーには可能性を感じるものの、セダンの存在がそこを曖昧にしてしまっているのです。もちろん、4つものボディを用意する手法はトヨタでなければできない芸当ですし、4枚のカードを提示してユーザーに選択させ、今後のクラウンの方向性を確認するところにも、トヨタらしいリサーチ力を感じます。

 ただ、クラウンという名前を継続すると決めた以上、個人的にはもう少しメーカーの「自信」を期待したいところ。マツダの「VISION COUPE」ではないですが、「トヨタが目指す未来の高級車はこれだ!」という明快なアナウンスがあってもいいのではないでしょうか。

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すぎもと たかよし
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サラリーマン自動車ライター
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