F1がグリッドガールを廃止して4年! レースクイーンが文化として根付く日本から見ると「謎の選択」はナゼ? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■F1では一部GPを除いてグリッドガールが廃止されている

■一方、日本のモータースポーツシーンでは、いまだレースクイーンがレースに華を添えている

■F1が正しいか、それとも日本のモータースポーツシーンが正しいかは簡単に結論を出せない

むしろ周回遅れはF1のほうだ!

「日本は周回遅れなんでしょうか?」

 2018年にF1レースでグリッドガールが廃止されたものの、日本はいまだにさまざまなレースイベントでグリッドガールやレースクイーンが活躍中。これをうけて、編集部が投げかけてきたのが先の質問です。

 あえて言いましょう「周回遅れはむしろF1である」と。

 まずは、グリッドガール廃止のいきさつを簡単におさらい。2018年、アメリカの巨大メディアグループ「リバティメディア」がF1グループの株式を大量に買い取ると「(グリッドガールは)我々の慣習に合致していない」というステートメントを出してこれを廃止。

 以降のグランプリから彼女たちの姿はきれいさっぱり消え去ることに。つまり、女性を「性的対象としてビジネス(F1グランプリ)に使わない」と、いかにもアメリカのクリーンな企業らしい決定を下したのです。

 初戦のオーストラリアからグリッドは色気もなにもなくなったのですが、モナコとロシアだけは「グリッドガール最&高!」と反旗をひるがえしました。明確なステートメントこそ用意されませんでしたが、おそらくモナコはそのプライドの高さと商売っ気の強さから「田舎者(アメリカ)はこれだから困る」てな気持ち、ロシアは「弱きもの、汝の名は女」てな国民性ですから、「女性らしい仕事を奪うのは、男としていかがなものか」という気概でもあったのでしょう。モナコに至っては2021年現在もグリッドガールを重用しています。

 こうした前例がありながら、日本グランプリはどういうわけか廃止の道を選びました。国内では「レースクイーン文化」が盤石といっていいほど根付き、専門誌まで売られているのに、首をかしげずにはいられません。彼女たちを目当てにサーキットを訪れるファンの多さを知らないわけでもないでしょう。

 うがった見方をすれば「F1ならレースクイーンなしでも客が見込める」とか、国内格式のレースに比べ(レースクイーンを間近で撮れるパドックパス含め)F1チケットはバカ高ですから「(レースクイーン目当ての)カメラ小僧もそう多くは来るまい」みたいな打算が容易に想像できちゃいます。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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