RAV4より先にコンパクトSUVを切り拓いたパイオニア! スズキ・エスクードは常に挑戦者だった (2/2ページ)

ハイブリッド仕様の登場を機に復活!

 続く3代目はビルトインフレームボディにフルタイム4WD、4輪独立懸架サスペンションを組み込むなど大幅に刷新。グランドエスクードは北米専用車種として独立し、我が国では当初5ドア5人乗りのみとなった。

 欧州テイストを取り戻したボディは全車3ナンバーとなり、直列4気筒エンジンは前期型が2リッター、後期型が2.4リッターと拡大。先代グランドエスクードから継承した2.7リッターV6は途中で3.2リッターになった。

 この世代のニュースは、途中で3ドアが復活したこと。英国向けをベースとしており、1.6リッター4気筒はプレミアムガソリン仕様、変速機は5速MTのみだった。ジムニーからの乗り換えのために用意されたと言われる。

 これに続いて登場したのが現行型。モノコックボディの横置きパワートレインとなり、やや小柄になり、大幅な軽量化を果たした。そのため3代目もしばらく、エスクード2.4として販売が続けられた。

 エンジンも当初は1.6リッター4気筒自然吸気、その後1.4リッターターボとダウンサイジングされている。ただしトランスミッションはCVTではなくトルコン式6速ATだった。悪路走行や牽引のことを考えているのだろう。

 ハンガリーからの輸入車になったことも特徴になるこの現行型、2021年秋に一度販売を終了するが、今年春にハイブリッド仕様の登場を機に復活した。

 ハイブリッドシステムは排気量以外はスイフトに似ていて、1.5リッター自然吸気エンジンにロボタイズドMTの6速AGS、スタータージェネレーター、駆動用モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせている。

 経済性を考えればこのハイブリッド仕様がイチオシになるけれど、個人的には最後の縦置きパワートレインとなった3代目にも惹かれる。とりわけ気になっていたのが1.6リッターMTの3ドア。一度試してみたいと思ったが広報車両は用意されなかった。いまでもちょっぴり気になる1台だ。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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