【試乗】中身はシッカリ進化していた! 「UX」はマイナーチェンジで「レクサス感」マシマシ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■マイナーチェンジしたレクサスUXに自動車ライターの島田智之さんが試乗した

■UX250hバージョンLは車体がガッチリしつつも上質な乗り心地を感じさせてくれた

■UX200 Fスポーツはスポーティな味付けながらも乗り心地がまったく犠牲になっていない

ボディ剛性の向上で乗ったらすぐに違いを感じられる

 いまどき、僕たちのようなフツーの人にとっていろんな意味で使い勝手のいい乗用車を考えると、やっぱり適度にコンパクトなSUVというとことに落ち着くのだろう。売れ筋になってることからも察せられるし、メーカー各社がBセグメントやCセグメントのSUVに力を注いでることからも推測できる。事実、大柄で押しの効くクルマが好まれそうな高級車ブランドのレクサスでも、昨年の国内販売台数およそ5.1万台のうち8000台近くが、SUVのボトムラインにしてもっともコンパクトなUXだったという。

 そのUXにマイナーチェンジが行われて試乗する機会があったのだが、見た目ではどこが変わったのかさっぱり判らないのに、乗ってみたら「おっ?」と感じられるようなはっきりとした進化を果たしていた。

 今回のマイナーチェンジでは、エクステリアに変更はない。よほどのマニアであればタイヤの違いを見てとることができるかも知れないが、まぁそれくらいのものだ。

 一方で、インテリアはちょっと様変わりしてる。ダッシュボードに12.3インチの大型タッチスクリーンがレイアウトされたほか、対話型の音声認識機能が備わるなどインフォテインメントシステムも最新世代となり、シフトセレクターの横にあったタッチコンローラーを廃止、スイッチ類のレイアウトも若干の変更を受けたほか、スマートフォンのワイヤレス充電のスペースが拡大されてUSBコネクターも増設されている。さらにADASも最新のものへとアップデートされた。時代に沿った改良がおこなわれてる、というわけだ。

 ADASについては残念ながら走行環境の関係でほとんど試すことができなかったのだが、12.3インチのタッチスクリーンの使い勝手が良好なことは確認できた。ドライバーに寄った側にレイアウトされているうえ、使用頻度の高いメニューのアイコンが常時スクリーンの右側に表示されている。タッチの誤操作を防ぐために親指を置けるスペースも確保されている。そのうえ何より、タッチに対する反応が早い。この種のプレミアムブランドのクルマにとって、こうしたところは地味だけど大切な部分だと思うのだ。

 けれど、それはそれ。今回のマイナーチェンジの最大のキモは、車体にある。サイドのドア周辺、そしてリヤハッチ周辺の車体開口部にあたる場所にスポット溶接の打点を20箇所追加して、ボディ剛性を高めてるのだ。そして、ガッチリした車体に会わせてサスペンションまわりやステアリングまわりの基本セッティングをやりなおしてる。

 Fスポーツについては、従来はオプションだったパフォーマンスダンパーと可変制御のアダプティブバリアブルサスペンションが標準で備わることになり、一方でバージョンLに関しては標準の18インチタイヤがランフラットではなくなった。

 かたやスポーツ性重視、かたや乗り心地重視、と明確に乗り味を分ける方向へと進んだのだな、と思った。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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