価格が上まわる輸入車勢を中身で凌駕! マツダCX-60をライバル車を比べたら「敵なし」なほど凄いクルマに仕上がっていた (2/2ページ)

プレミアム路線のSUVモデルがライバルの筆頭に挙げられる

 まず、価格帯はCX-60よりも遥かに高いものの、FRをベースとしたDセグメントのクロスオーバーSUVという点で共通しているのは、メルセデス・ベンツGLC(768〜1076万円)、BMW X3(721〜931万円)、ジャガーF-PACE(759〜1430万円)だろう。

 いずれも2リッター直4ターボのガソリンおよびディーゼルエンジンを主力とし、電動モデルも設定。また、3リッター直6ターボエンジン(GLC、X3)や5リッターV8スーパーチャージャーエンジン(F-PACE)を搭載するホットバージョンもラインアップする。

 このなかでX3は直線的なデザインでスポーティなテイストが強いものの、GLCとF-PACEはシンプルかつモダンな曲線基調の内外装を備えている。とりわけF-PACEのインテリアはイギリスの高級車らしい落ち着きのあるもので、CX-60に対しキャラクターがもっとも近いモデルといえるだろう。

 では国産車はどうか。ベースとなる駆動方式はFFだが、312万8000〜620万円という価格帯、そしてDセグメントクロスオーバーSUVにおける大衆車ブランドのプレミアムモデルという希有なキャラクターにおいても、トヨタ・ハリアーはCX-60にもっとも近い存在だろう。

 高級クロスオーバーSUVの元祖であるハリアーは、2020年6月発売の現行モデルで4代目。エッジの立ったラインとふくよかな曲面を組み合わせた都会的かつ上質な内外装、乗り心地と操縦安定性を両立した走りなどが高い評価を受け、発売1ヵ月後時点で約4万5000台の受注を得る大ヒット作に。

 2022年9月には2.5リッター直4NAエンジンと組み合わせたプラグインハイブリッド車も追加され、ますますそのポジションはCX-60に近いものとなっている。

 だがCX-60は、プレミアムブランドのライバルに勝るとも劣らない、あるいは凌駕したとさえ言える上質な内外装、FRベースならではの前後重量バランスとトラクションに優れた走り、そしてリーズナブルな価格を兼ね備えている。これらすべての面において、CX-60とがっぷり四つで戦えるライバルは、今後他社から現れるのだろうか……?


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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