いまモデル末期のお得な「たたき売り」は期待できない! 改良直前のカローラやタントが販売ランキング上位にくる異変を分析する (2/2ページ)

マイナーチェンジ前の在庫処分の手法が数値に現れた

 この2車の動きはまさに新車販売異常事態ともいえるいまだからこその傾向といえるだろう。カローラは新型コロナウイルス感染拡大による生産工場の稼働悪化や部品不足で思うように生産ができないなか、改良を直前に控えても抱える改良前のバックオーダーをさばくのに必死な様子が伝わってくる。タントも状況は同じなのだが、軽自動車は年頭に未使用中古車専業店にその年の供給台数を大手業者とメーカーで確約しているようだとの話も聞く。いまの状況では計画的な供給ができないので、最後になってラストスパートをかけて供給しているのではとも思える動きに見える。タントの場合は個々のエンドユーザー分というよりは、未使用中古車業者向けの生産がメインと考えれば、しばらくすると、未使用中古車専業店に改良前タントがずらりと並ぶかもしれない。

 それにしても、深刻な納期遅延車をより多く抱えるトヨタが登録車のみの販売ランキングトップ10に8車がランクインしている。総合ランキングでヴォクシーが8位、ノアが11位に入っているのは、事業年度締めの上半期末ということもあり、溜まっているバックオーダーの消化を9月に積極的に行ったのかもしれない。

 軽自動車のみで販売上位車種の多くは前年同月比で100%超えをしているなか、日産ルークスは64%と苦戦している。これは言わずと知れたことでもあるが、日産サクラにお株を奪われていると見ることができるだろう。

 現状では今回のカローラやタントのように、オーダーストップ以降もバックオーダー消化のためと思われる、積極的な生産を続けている。平時のようにモデルチェンジ直前のたたき売り用のモデル末期在庫車はほぼ期待できない。また、オーダーストップ時期も平時よりかなり早めとなるケースが目立っている。新車が欲しくなったら、とにかくディーラーへ足を運び、まずは納期遅延状況、そして改良情報やそれに伴うオーダーストップのタイミングなどを確認し、モデルチェンジを控えたオーダーストップ直前にギリギリ現行モデルで注文をいれるか、早々に次期型を予約発注という形で購入するかなどの判断をセールスマンに相談しながら判断してもらいたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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