タフトがあるのになぜ「ファンクロス」を出した? 狙いを開発陣に直撃した! (2/2ページ)

各種パーツは型を起こし直してお色直し

 そしてもうひとつ、従来型とはまったく異なるフロントマスクを与えられた「カスタム」について聞いてみた。

「お客様の声を聞くと、カスタム系はもっと迫力が欲しいという声が多かったんです。そこで従来型が持つ上質さは残しつつ、より立体感を強調して迫力のあるスタイルとしました。マイナーチェンジではありますが、フロントマスクはライト類やバンパーだけでなく、ボンネットやフェンダーも一新しているんです」

 ライバル車とは異なり、末広がりの台形となった大型フロントグリルを持ったことで、スーパーハイト軽ワゴンでありながら、どっしりとした印象を手に入れたカスタム。当然ながら全幅の変更はないが、まるでボディがワイドになったような雰囲気を持っているのはデザインの妙と言えそうだ。

 そのほか、今回のマイナーチェンジでは全車に上下2段調節式デッキボードを新たに採用し、ラゲッジスペースの使い勝手がさらに向上。デッキボードは脚を立てることでデッキボードの下も個別の荷室スペースとなるほか、車外に持ち出せばローテーブルとして活用することもできる。

 さらに、従来型ではパンク修理キットや工具類が収められていたデッキボードの下だが、せっかくの荷室をもっと有効に使えないかと検討した結果、パンク修理キットなどを移設してラゲッジアンダーボックスが設置されている。

 ちなみにパンク修理キットなどはどこへ移動したのかというと、なんと助手席フロアの下に移動している。もともとタントはフラットフロアを実現するために一部床面を上げ底としていたため、そのデッドスペースを上手く利用した形となっているのだ。

 このようにユーザーのニーズや声を採り入れ、進化を続けているタント。もともとスーパーハイト軽ワゴンの中では高い走行性能と安定性を誇るモデルだけに、アクティブに使えるグレードが追加されたのは朗報と言えるだろう。

 オプションで設定されるアダプティブクルーズコントロールなども併用すれば、遠距離ドライブのあとのアウトドアアクティビティでも、運転で疲れてしまって楽しめない……ということもないハズ。そう考えるとタントにアクティブなファンクロスが追加されたのは当然の流れと言えるかもしれない。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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