最速の遺伝子はやっぱり凄い! ラリー・ジャパンでみた新井大輝選手の爆速っぷり (2/2ページ)

新井選手のスピードが健在であることが証明された

 プジョーが開発したラリーカーとはいえ、所詮は1200ccターボのFFモデル。加えて、Rally4では改造範囲も限られていることから迫力不足は否めなかった。ワークスチームが投入するハイブリッド搭載のRally1車両と比べると、そのパフォーマンス差は明らかで、フォーミュラカーでたとえるなら、Rally1がF1なら、Rally4はフォーミュラ・ライツ、もしくはFIA-F4ぐらい開きがあるのではないだろうか?

 それでも大輝は積極的にマシンを動かしていることが伺えた。コーナー立ち上がりでのアクセルオンに対するトラクション不足はいかんともしがたく、本人もストレスが溜まっていたに違いない。必死に鞭を打ってもマシンが応えてくれない様子が手に取るようにわかったが、それでも大輝はダンロップタイヤのグリップを活かしながら、スムースなアプローチを心がけているようだった。

 その結果、大輝は総合15位、RC4クラスで優勝した。クラス優勝はライバル不在であることから大した実績とはならないが、多くのRally2およびR5を抑えたことは称賛に値する。実際、SSタイムを見ても数多くのWRC2エントラントを凌駕するなど、久しぶりの実戦だったとはいえ、大輝のスピードが健在であることが証明された。

 同時に、これがRally4ではなく、Rally2だったら、どこまでの順位に食い込めたのだろうか……と想像せずにはいられない。

 この大輝のチャレンジがどのように繋がっていくのかは未知数だが、いまだ高いパフォーマンスを持つだけに、2023年の新井大輝の動向に注目したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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スバル・フォレスター
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