この時代にこの軽さは奇跡! 蝶のように舞うコーナリングに感動渦巻く現行車5選 (2/2ページ)

軽いクルマは操る楽しさが倍増!

 3台目は、まるで、公道を走ることを許されたレーシングカーそのものという感覚になれる、ロータス・エキシージ。他車のスポーツカーにありがちな余計な制御などが何もなく、運転中のすべてが自分の腕に委ねられている緊張感と興奮に満ちています。

 車両重量は1100kg前後ですが、パワートレインはミッドシップに搭載される3.6リッターのV6スーパーチャージャー。最高出力416馬力、最高速度277km/h、0-100km/h加速はわずか3.8秒という瞬足を、6速MTを駆使していかに引き出すか、まさにエキシージとの真剣勝負という走りが楽しめます。

 4台目は、地面スレスレに座る運転席からの視界をはじめ、まるで公道を走るフォーミュラカーと言える、ケーターハム・スーパーセブン。2シーターのオープンスポーツカーで、幌はもちろんソフトトップ。しかもボタンで留めていくタイプですごく面倒なので、つけていると乗り降りもスムースにできないため、走るときは外すのが基本です。

 タイヤはむき出しで、フロントガラスさえ最小限の面積なので、走っていると小石などいろんなものが飛んでくることも。わかっているドライバーはみんな、ゴーグルをつけて走っています。スーパーセブンはもともと、1957年にロータスセブンとして生まれた超軽量のスポーツカー。収納スペースもほとんどないので、必然的に荷物も最小限になって、より軽い走りが楽しめるわけですね。

 わずか600kg台の軽自動車より軽いボディの加速は爆発的で、音も振動も風さえも遠慮なく入ってくる空間で地を這うように走る景色は、人生観が変わるほど刺激的です。

 5台目は、1960年代〜1970年代にWRCで大活躍し、もはや伝説となっていたラリーカーで、2018年に待望の復活を果たしたアルピーヌA110。こちらも軽さが大きな魅力となっているフレンチスポーツカーです。フロントマスクの特徴だった丸目4灯のヘッドライトや、ヒップラインに向けてなだらかに傾斜するラインなど、旧モデルを思わせるデザインも秀逸ですが、乗ると現代のクルマとは思えないような、ピュアな挙動が感動モノ。

 全長4.2mほどの小さめのアルミ製ボディの重量は1100kg前後で、そこにミッドシップに積んだ1.8リッター直4ターボエンジンは252馬力/320Nmというスペック。それだけ見たらあんまり驚きはないのですが、そこにアルピーヌの魔法をふりかけると、まるで対話しながら走れるようなクルマになるのです。

 というわけで、軽さこそFun to Driveの基本中の基本なんだな、ということが存分に味わえる5台をご紹介しました。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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