ホントにモーター付いてる!? 電動車嫌いもこれなら乗れるハイブリッド「らしからぬ」クルマ5台 (2/2ページ)

ハイブリッド+SUVの組み合わせもオススメ!

 3台目は、言われなければハイブリッド車だと気がつかない人も多いという、スバルXV。低全高でもしっかりとオフロード性能を確保している、希少なキャラクターのクロスオーバーSUVです。スバルならではの水平対向エンジンにモーターを組み合わせた「eボクサー」というシステムで、全車が4WD。

 走り出すとやや骨太なエンジン音や振動が感じられ、タフなデザインと相まって軽やかかつ元気な走りが印象に残りがちなのですが、じつはよくよくメーター内の表示を見ていると、モーター走行にも頻繁に切り替わっていることがわかります。

 いい意味で、電動化車両にありがちなきめ細かい制御が運転操作を邪魔しすぎない感覚。自然体で乗れるハイブリッド車だと思います。

 4台目は、2006年に世界初のFRハイブリッド車として登場した、レクサス GS450h。まだ日本でのレクサスブランドがスタートしたばかりだった当時、このモデルがレクサス成功のカギを握っていたといってもいいくらい、重要なモデルでした。

 システムとしては、当時のプリウスが採用していたものと仕組みは近いものの、最高出力296馬力/最大トルク368NmのV6エンジンと、200馬力/275Nmという高出力化したモーターを組み合わせて、とてつもないパワーを実現。スタート直後こそモーター走行で静かですが、ひとたびエンジンが始動すれば鋭い怒涛の加速力とともに、どこまでも伸びていくようななめらかさに感服することでしょう。どっしりとした安定感、上質な乗り心地と相まって、日本を代表するラグジュアリーセダンの魅力が堪能できるはずです。

 5台目は、マイルドハイブリッドが主流の輸入車において、唯一フルハイブリッドとなるE-TECH HYBRIDで日本導入を果たした、ルノー・アルカナ。最大の特徴は、ルノーがF1をはじめとするモータースポーツ活動で培った技術をフィードバックして開発した、ドッグクラッチマルチモードATを採用した独創的なシステムです。

 これは一般的に用いられるクラッチやシンクロナイザーを省き、ダイレクトに減速ギヤとギヤセレクターの歯を噛み合わせることができるようになっていて、どうしてもショックが大きくなるところをモーターでなめらかにしており、駆動力の直結も可能。モーター側にふたつ、エンジン側に4つのギヤを持ち、全12通りの変速比で効率よく切れ目のない動力を引き出すことができるというものです。その説明のとおりに、アクセルペダルを踏み始めた瞬間からスルスルスルと極上の軽やかさでスタートしつつ、しっかりとした剛性感とダイレクトな操作感も感じられるという、とても新鮮な乗り味。

 高速道路でも、クルージング中のわずかな加速・減速のコントロールにも遅れなく、意図したとおりの反応が得られるところが気持ちのいい1台です。ハイブリッドが苦手な人にこそ、乗ってみてほしいと思います。

 ということで、ハイブリッド大国の日本では豊富なラインアップのなかから好みのハイブリッド車を選ぶことができます。以前に乗って苦手意識を持ってしまった人も、こうしたハイブリッドを感じさせないハイブリッド車なら、イメージが変わるかもしれませんね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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