必ずしも最新が最良とは限らない! 人気実用車4台の歴代モデルでプロが選ぶベストバイは何代目? (2/2ページ)

先代のインパクトが大きすぎて新型が苦戦中!?

 ミニバンでは、いまはなきトヨタ・エスティマ。それも、マイ・ベストなのは、2006年から2020年まで製造された3代目の2016年に行われた最後のビッグチェンジを行ったモデルだ。当時、ボクは「美魔女」と呼んでいたが、デビューから10年経ってもまったく色あせることなく、とくにフローティングルーフをさらに印象付けるブラックルーフ仕様が最高にスタイリッシュだった。

 ビッグチェンジと呼べる理由はまだある。走りの質を最新のライバルたちに追従させるため、ヤマハ製パフォーマンスダンパーをフロントに装備。その効果はフロントまわりのねじり剛性UP、ステアリングを切ったときのリニアな応答性&ボディ振動の減衰向上などが挙げられる。

 また、サスペンションやステアリングにも改良が施され、乗り心地やパワステの操舵フィールまで改善。ちなみにV6モデルは消滅。2.4リッターガソリンとTHSIIのHVシステムを組みわせた2.4リッターHVの2種類の布陣となり、全車、ボディは人気のエアロ仕様(アエラス)に統一。

 自動ブレーキを含む先進安全装備「トヨタ・セーフティセンスC」もエスティマとして初装備しているのだ。もちろん、ハイブリッド、ガソリン車を問わず、エスティマ史上最上の走行性能を見せてくれた。

 最後に、ドイツの、いや、世界の実用車のベンチマークとなっているVWゴルフについて。筆者はゴルフ7のヴァリアント(ハイライン)をいまでも所有しているのだが、ゴルフは先代、7が完成形だと思っている。R-LINE、GTI、Rを除いた標準車では、とくに後期のマイスターグレードが最高だ。

 もちろん、ゴルフ8の各グレードを試乗しているのだが、GTIとクリーンデイーゼルモデルを除いたガソリンターボ(ゴルフ8はマイルドハイブリッド)モデルを走らせた結果、ゴルフ7で得られたドイツ車然とした走行性能やエンジンフィール、非ハイブリッド車としての燃費性能(1.4リッターガソリンターボ+DSGで最高20km/Lを記録)、シートの良さを含む感動(だから、即買いした)は得られていない。

 細かい話だが、インフォテイメントシステムと呼ばれるナビゲーションの使い勝手においても、ゴルフ8は後退しているのである。よって、試乗前には乗り換えようと思っていたゴルフ8は、現時点では、見送っている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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