乗ってる人までカッコ良く見えるのはナゼ!? やっぱり「黒」で乗りたくなるクルマ5選 (2/2ページ)

高級車のように見えるのも黒ならでは

 3台目は、大きく迫力満点のフロントグリルが「斬新」だと話題を集めたトヨタのミドルクラスミニバン、ヴォクシー。このデザインは、ただでさえプレミアム感がアップしているのですが、新開発された「グリッターブラックガラスフレーク」という黒を選ぶと、もはや「プチアルファード」的なレベルになって超クールだという声が多くあがっています。

 これまでのミニバンにありがちだった、ベッタリとしたチープな黒でもなく、不自然なほどにラメが主張するヤンキーっぽい黒でもない、まさに「格上げしてくれる」黒。薄型のヘッドライトが未来的な要素を添え、ド迫力のグリルも神々しい印象となるのは、黒というボディカラーの効果かもしれません。光の当たり方によってきらめきや深みが変化し、豊かさが感じられるところも魅力です。

 新しいヴォクシーは、ハイブリッドとガソリン、7人乗りと8人乗りが設定されており、2列目シートの超ロングスライドや、オットマン、シートヒーター、大型テーブルといった豪華装備が備わるグレードが用意され、乗り心地もプチアルファードになっています。

 4台目は、威風堂々としたデザインに生まれ変わった、2代目の三菱アウトランダーPHEV。三菱伝統のフロントマスク、「ダイナミックシールド」も新たなデザインとなって、厚みのあるボディが存在感を高めているモデルです。

 三菱といえば浦和レッズなどでも親しまれている「ダイヤモンド」のエンブレムですが、以前からボディカラーにも「ホワイトダイヤモンド」「レッドダイヤモンド」がラインアップされていました。そこに満を持して登場したのが、「ブラックダイヤモンド」という黒。これがものすごく、アウトランダーPHEVのデザインと合っていて、プレミアム感がアップして見えるのです。このブラックダイヤモンドは3コートで、ガラスを使った高密度の光る層が加えられたところがこだわり。夜間など光の当たらないところでは漆黒となり、光が当たると輝きを増す黒となっています。

 20kWhのバッテリーを搭載し、電気だけで最大87km(WLTCモード)の走行距離を実現しているアウトランダーPHEVは、ロングドライブにも最適なSUV。黒を選べば、フォーマルなシーンにも似合うことでしょう。

 5台目は、この世でもっとも黒い「黒」だとして話題となった、BMW X6。その黒は「ベンタブラック」といって、もともとは航空宇宙向けに開発された特殊な塗装です。この黒で塗装された表面を見ると、人間の目は3次元感覚を失って、物体は2次元に見えるといいます。脳が、この黒は「穴だ」と認識してしまうのだそうです。反射率が1%なので、ボディ表面に当たる光は反射せずにほとんど吸収されて熱に変換されるのですが、この塗装は耐熱性が高いことも特徴。

 自動車として初めてベンタブラックが塗装されたX6は、キドニーグリルやヘッドライトがより強いコントラストを表現して、見つめていると不思議な空間に迷い込んだかのよう。X6といえば、クーペライクでスポーティなデザインが大きな魅力ですが、ベンタブラックのX6はただ美しいだけでなく、吸い込まれそうなほど釘付けになってしまう1台です。ただし、このボディカラーを市販するには課題があるようで、まだ選ぶことはできないそう。

 ということで、どのモデルにも必ず用意される黒いボディカラーですが、デザインや開発者のこだわりなどによって、情熱がこもった黒があるように思います。黒を選んだだけで、高級感がアップしたりカッコよくなるなら積極的に選びたいものですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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