なんだこの「仲間意識」の芽生え方! 気がつけば「トナラーし」「トナラーされる」類友クルマ5選+α (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「同車種」や「同メーカー」のクルマが駐車場で隣同士になることがある

■あえて隣に停める人を「トナラー」と呼ぶことも

■「仲間が集まってきやすいクルマ」を独断と偏見でピックアップ

仲間が集まってくるクルマの特徴とは?

「乗ってるだけで友達」というのはやや大げさかと思うが、「思わずオーナーに声をかけたくなっちゃうクルマ」というのは確かにあるかもしれない。少なくとも「駐車場で思わず隣に停めたくなる(または隣に停められがちな)クルマ」は確実に存在している。それは「スバル車」だ。

 まぁこれはすでに有名な話だが、実際そのとおりなのである。

 筆者も愛車のレヴォーグでイオンへ「いかピーナ」などを買いに行き、勘定を済ませて駐車場に戻ると、「なぜか隣の枠にWRX S4が停まっている」というのはしばしばだ。そして私自身もヤマダ電機などに電球を買いに行った際には、ほぼ無意識にインプレッサ スポーツに“トナラー”をカマしてしまっていたりする。どうもすみません。

※画像はイメージ

 なぜある種のクルマは、その隣に同ブランドのクルマを停めたくなるのか? または、隣に同ブランドのクルマが停まりがちなのか?

 そのメカニズムを解明するには、すでに“実績”があるスバル車を例に考えてみるのが一番であろう。

 考えられるメカニズムその1は「数が少ない」ということだ。少数派であるがゆえに、自然と仲間意識のようなものが芽生えてしまうわけである。

 イオンの大きな駐車場に行けば100台ぐらいは停まっていそうなトヨタ・ヤリスでは、さすがに仲間意識は芽生えにくい。芽生えたとしても、それは希薄なものにならざるを得ない。だが、比較的少数派であるスバル車だと、「おっ! あそこにめずらしく“お仲間”がいるぞ!」という具合に、思わず盛り上がってしまうわけだ。

 とはいえ少数派であっても、たとえばランボルギーニ・アヴェンタドールあたりだと“仲間意識”は芽生えないような気もする。いや芽生える場合もあるのかもしれないが、どちらかといえば「互いに(あえての無視を含めて)牽制しあう」という結果になることが多いのではないかと推測する。

 ではスバル車とアヴェンタドールの違いは何か?

 それは「世間から迫害されているかどうか」であるだろう。実際に迫害を受けているかどうかではなく、「オーナーがそう感じているかどうか」である。これがメカニズムその2だ。

 性能の面でもブランド力の面でもまごうことなき“勝者”とみなされ、またオーナー自身もそうとらえているランボルギーニ・アヴェンタドールに対し、スバル車は「燃費が悪い」「ボンネットのダクトがブタの鼻みたい」「オタク」「なんでいつも青いブルゾンを着てるんですか?」等々の誹謗と迫害に日々さらされている。しかし、スバル車オーナーは迫害にさらされながらも、「でも自分だけはこのクルマの価値を知っている!」と思っているため、自然と“信仰心”が強まる。そう。迫害は信仰心の友であり、強化剤なのである。

 そんな迫害を受ける日々のなか、イオンの駐車場にて己と信仰を同じくする希少な者を見つけてしまった日には――これはもう「隣に停める」しかないではないか。本当はドライバーの帰りを待って握手し、それだけでは足りないのでハグしたいところだが、それをやると「おまわりさん、この人です!」と通報されてしまうおそれもあるため、仕方なく「隣に停める」に留めているのだ。

 以上の考察から、「乗ってるだけで友達? 思わずオーナーに声をかけたくなっちゃうクルマ(もしくは隣に停めたくなるクルマ)」とは、以下の3要素を備えているクルマであることがわかった。

1 少数派である
2 迫害を受けている(とオーナーが感じている)
3 だが性能は良い(とオーナーは信じている)

 この3要素を兼ね備えているクルマは、輸入車や旧車なども含めて考えるとけっこうな数が該当してしまいそうなため、ここはあえて「現行型または現行型に近い国産車」のみからピックアップしてみることにしよう。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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