セダン&ステーションワゴンのよさはこのクルマを見ればわかる! ミディアムクラスのベンチマーク「メルセデス・ベンツEクラス」の魅力とは (2/2ページ)

進化を止めないミディアムクラスの先導車

Eクラスの歴史(4代目〜5代目)

・4代目 W212型

 先代、先々代と踏襲していた丸目ヘッドランプを廃止し、異型4灯ヘッドランプを採用して2009年に登場した4代目Eクラス。先代同様、各種の電子制御化を進め、時代が要求する環境性能と安全性能に力を入れて開発されました。なお、ヘッドランプは2013年のマイナーチェンジで一体型に変更されています。

 とくに先進安全装備の充実ぶりは目を見張るものがあり、ドライバーの疲労や注意力低下を検知したとき、ドライバーをアシストする“アテンションアシスト”や“レーンキープアシスト”など、現行モデルにも用意されている機能を装備しています。

 また、環境性能に貢献する1.8リッターダウンサイジングターボ(後に2リッターターボへ変更)や直噴ターボ付きディーゼルエンジンなど、パワーユニットも見直されています。さらに、4代目にはシリーズ初となるハイブリッド仕様も2013年に追加されました。

 とはいえモンスターセダンは4代目にも設定されています。E63 AMGは525馬力の6.3リッターV8エンジンを搭載。環境性能に特化したモデルとは別物として存在感を誇りました。

 また、4代目にはクーペやカブリオレが初代以来、用意されたことも特徴です。ただし、こられはCクラスをベースに開発されています。

・5代目 W213型

 現行モデルとなる5代目が登場したのは2016年。先進安全装備をはじめとする最新テクノロジーを詰め込めるだけ詰め込んだ近未来サルーンというべき存在となっています。マイナーチェンジ以降の4代目と顔つきなどは大きく変わっていませんが、全長を40mm伸ばしたことでスマートなフォルムへと変化しました。

 インテリアのトピックスといえば、12.3インチの大型ディスプレイを2枚配置したインパネ。未来感溢れるデザインと装備はライバル車が備えていない大きな特徴です。

 パワーユニットのトピックスは、新開発のディーゼルエンジンを用意したことでしょう。ターボ付き2リッター直4ディーゼルエンジンはアルミブロックを採用したことなどで軽量化と小型化を実現しました。

 その他、ターボ付き2リッター直4ガソリンエンジンと3.5リッターV6ガソリンエンジンをラインアップ。また、トランスミッションは全車9速ATが組み合わされています。

・5代目 W213 後期型

 現行モデルは2020年にマイナーチェンジを行いました。外観で大きな変更が加えられたのがヘッドランプ。上下方向に薄く、やや切れ上がった形状に変更されています。

 また、上級グレードのE450 4MATIC エクスクルーシブは、メルセデス・ベンツ伝統のスリーポインテッドスターがボンネットマスコットとして、4代目のマイナーチェンジ前のようにフロント部に配置されています。この変更を喜ぶメルセデスファンは多いことでしょう。

 見た目以外に大きな変更となるのが次世代ステアリングの装備。この新世代ステアリングは、ナビゲーションをはじめとする各種設定や安全運転支援システムの設定を手もとで完結させることが可能。

 また、新たに静電容量式センサーを備えたステアリングパッドを採用したことで、ハンズオフ検知機能の使い勝手向上を実現しています。

 パワートレインはデビュー時とは異なり、多彩なユニットが用意されました。現在選べるユニットはガソリンエンジンがターボ付き1.5リッター直4とターボ付き2リッター直4ターボ。ディーゼルエンジンはターボ付き2リッター直4。さらに2リッター直4ターボ+プラグインハイブリッド、2リッター直4ディーゼルターボ+プラグインハイブリッドから選択可能です。

まとめ

 SUVにおされセダンやステーションワゴンの存在感が薄れている中、メルセデス・ベンツEクラスはいまだに高い注目度を維持しています。むしろSUVにはないフォーマルさや走りの良さなどセダン&ステーションワゴンの価値をいまだに示し続けているのはさすがといえるでしょう。

 今後、どのようにEクラスが進化していくかに注目です。


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